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2009年12月30日(水) 
少し前のある新聞の書評欄に
小笠原洋子さんの『フリードリヒへの旅』という本が紹介されました。
「もしかして・・・?」と思って、その書評を読んでみると、
やはり、カスパー・ダーヴィッド・フリードリヒという
200年も前のドイツの画家について書かれた評論でした。

4~5年前、日本経済新聞日曜版の「美の美」という連載で
フリードリヒの「樫の森の修道院」という絵が紹介されました。
初めて「樫の森の修道院」を観た私には、強烈なインパクトがありました。
その後「少しでも原画に近いモノが観たいなぁ~!」とズ~っと気になっていました。
しかし、フリードリヒは、日本では一般的に余り注目されていないらしく、画集や評論はほとんど出版されておらず、ポスターや複製画も少ないようです。
やっとオークションでフランスで出版されたフリードリヒの画集(古本)を見つけて購入しました。

ところが、
約10年前の春に、
私と同じ「樫の森の修道院」を画集で観て強烈なインパクトを受けた小笠原洋子さんは、
その年の晩秋には「樫の森の修道院」の実物を観るためにドイツへ旅立たれています。私にはとてもまねが出来ない行動力と俊敏さです。
それから、約10年間に10数回もフリードリヒの波乱に満ちた足跡を辿るためにドイツへ赴かれています。
そして、この度、その体験と思索をまとめられた『フリードリヒへの旅』という評論まで出版されました。

他方でネットで検索してみると
「樫の森の修道院」を観るためにドイツを訪れておられる日本人のリポートがいくつかありました。
ナショナルギャラリーで実際に展示されている「樫の森の修道院」の写真を撮ってこられた方もおられました。
中には、様々な経緯でわざわざ出向いたドイツで「樫の森の修道院」を観れなかった方のリポートもありました。

こういう皆さんのリポートを読んでみると
やっぱり「樫の森の修道院」という絵は、「何かある種の人たちを引き付ける魅力があるんだなぁ」とあらためて思います。

と言うのは、この「樫の森の修道院」という絵は、
未明または夕暮れの廃墟で営まれる葬式を描いた絵なのです。
決して明るい絵ではありませんので、ちょっと「この絵、エエですよねぇ!」と話題にするには相手を選んでしまうような絵なのです。

私には今のところ、「樫の森の修道院」を観るためにドイツまで出向く余裕がありませんので、「せめて複製画でも入手できないか!」と考えて、つい昨日ドイツ語の通訳の方の手を煩わせながら、ドイツのあるサイトで複製画の購入手続きを始めました。
これでも、小笠原さんの本に後押しされて、自分では一生懸命歩幅を拡げたつもりなのですが・・・!

http://www.kunstbilder-galerie.de/gemaelde-kunstdru…_2355.html

同じ絵を観ても、10数回もドイツを訪れ本まで書いてしまう人もおられれば、実物を観にドイツまで行って結局観れなかった人もおられます。
そのような方と比べると、複製画を何とか手に入れようとゴソゴソしている自分自身の「歩幅の狭さ」が身に沁みます。

これはたかが絵のお話ですが、

人生後半に入ってしまった今、
それ程大差のない所から出発しても5年・10年という年月が経つうちに、日頃の雑事に煩わされて夢幻のままでいる人(自分)と、行動を起こして少しでも夢や願望を現実に変えた人(例えば小笠原洋子さん)との大きく開いてしまった「歩幅の違い」を目の当たりにしてしまったような気がしています。

閲覧数1,655 カテゴリBOOK コメント0 投稿日時2009/12/30 17:01
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