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2014年05月22日(木) 
和崎はアイデアソン実施の概要とその後にセットした大学生たちとの交流会について、いつもの地域SNSの友達である木多見哲夫(54)に相談した。木多見は地方自治体の外郭団体に勤務しながら、さまざまな地域活動に積極的に参加するだけでなく、地元の劇団で舞台にあがる役者であり、県が住民の参画と協働による地域づくりを推進するために設置した「地域ビジョン委員会」の委員長を務めるという素晴らしい人材で誰もから慕われる人格者である。和崎がいつもなにかと頼りにしているキーパーソンのひとりだ。毎年GWに実施する公開授業のご贔屓筋で、今回の若者たちとも授業などを通して旧知の仲であり、指導にもさまざまな協力をしてくれていたので一番に巻き込んだ。

木多見がビジョン委員会や姫路城清掃ボランティアなど一緒に活動している仲間たちに声をかけ、和崎の呼びかけに応えた他の人たちをあわせると瞬く間に予定していたメンバーが揃った。ショットバーのマスター、弁護士、主婦、大学教員、飲食店経営者、元日本食板長、高校教師、英語塾経営者、ホテル経営者、自治体職員、ご当地グルメ団体会長、新聞記者、SNS管理者、高校生、シニア活動家、元商店街理事長、防災士、NPO理事、専門学校校長..よくもこんなにバラバラな立場の人が集まったものだ。共通点は、いつものことだが「何をやるのか詳しいことは解らなくても、あんたがやるなら面白いに違いないから喜んで協力するよ」という人ばかりということと、全員がソーシャルメディアを上手に使いこなしていることだった。

アイデアソン当日は抜けるような青空の行楽日和になったが、定刻の30分くらい前にはケーキやクッキー、自慢の紅茶などを手にした人たちが集まり始めた。学生はフリーだが、大人は持ち込み1品で参加費無料とした後半のポトラック(持ち寄り)形式で行う交流会への差し入れだ。「ひょこむカフェ」での寄り合いでは、準備から片付けまで参加者が協力して行うことにしていて、持ち込みの手作り料理や秘蔵のお酒などがずらりと揃うオフ会は壮観だ。持ち込まれた「一品」の蘊蓄を語るのも聞くのも、参加者同士の楽しみになっている。この日はティーパーティなので少し大人しいが、一部の飲み助はビールやワインを用意していた。

アイデアソンの準備は、古家たちがやってくれた。といっても、「チーム分け」は4テーブルに学生2名と社会人5名ずつを割り振ったチームを事前に決めておき、あとはブレストやアイデアまとめに使うペン、マジック、付箋、スケッチブック、模造紙をテーブルの上に配布しただけ。ごく簡単質素で、普段のワークショップとほとんど変わらない。今回はアイデアソンが初めての人が多いこともありアジェンダは、概要説明(5分)、テーマ説明(10分)、少人数ブレスト(10分)、アイデア記入(5分)、チーム内ブラッシュアップ(20分)、発表準備(10分)、発表(15分)、投票(5分)で計80分(通常は60分程度)を割り当てた。

午後1時に全員集合して「(仮称)地元レストラン活性化プロジェクト」のアイデアソンがスタートした。まずはモデレーターの古家がアイデアソンの概要や今回の流れを説明した。参加者の中には、新しい手法をマスターしようとメモを走らせたり、プレゼンの画面をスマホに収めたり、開始早々やる気満々。井上が前里さんのレストランの課題をより一般化して、飲食店のシーズと利用者のニーズをミッシングリンク(つながっていても不思議ではない紐帯が何かの理由でリンクしていない状態のこと)を中心にアイデアソンの狙いを解説したのち「お店、お客さん、情報提供者、地域社会の四方一両得になる素晴らしいアイデアを期待しています!」と発破をかけて少人数によるブレストが始まった。

最初から全体で話しを進めるのではなくテーブル毎に3人ずつ2組でブレストを行う。こうすると、意見を出さない人がなくなり、自然に全員参加とできる。少人数だと自分からすすんで思っていることを話さないとブレストの場がもたないからだ。不慣れな人のことを考えて、ファシリテーターは議論の太鼓持ちとしてブレストには加えなかったが、ひとりが口火を切るとあとは止めどなく課題提示やアイデアが出てきた。それもそのはず、テーマが大変身近な問題であったし、形式は違ってもこのような議論には慣れた人たちが多かったのである。

津川のテーブルでは、木多見がホテルを経営しながら飲食店「いろり夢茶屋」を開業している小寺一成(57)が 、学生を挟んで生々しい話しで盛り上がっていた。「いろりさんところは何でも美味しいし、奥さんも娘さんも美人だから、こんな課題なんかないでしょう」と振ると、堰を切ったように「まちなかから離れている上、川を越えないといけないので、固定客がなかなか広がらない。ランチは猛烈に忙しいけど、平日の夜は寂しい。ホテルの宿泊客があるから原価にこだわらず地元の優れた食材を使って美味しいものが出せるけど、もっと知名度が上げられたら固定客も増えるのにといつも悩んでますわ」と返す。順風満帆と思われていた「いろり夢茶屋」にもアイデアソンのテーマに通じる課題があった。こんな大人たちの会話を聴きながら、間に挟まれていた大学生の中西壱徳(19)が口を開いた。

つづく

この物語は、すべてフィクションです。同姓同名の登場人物がいても、本人に問い合わせはしないでください(笑)

閲覧数554 カテゴリ日記 コメント0 投稿日時2014/05/22 04:38
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