緊急事態宣言解除(金澤和夫副知事)
2021年03月01日 05:47
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緊急事態宣言が2月一杯で解除されることになりました。
宣言解除については、歓迎だけでなく懸念の声もありそうです。 実際、宣言解除となっても、飲食店営業等の時間短縮の要請が「夜8時まで」から「夜9時まで」に1時間伸びるだけ。県民の皆さんへの行動自粛の呼びかけ内容もほとんど変わりません。 「あまり変わらないのになぜ解除を急ぐの?」 「宣言解除で気が緩んで再拡大するのでは?」 どちらも一理あると思います。 国の感染症専門家の間でも、「徹底的に抑え込むまでは緊急事態宣言を維持する方が良い」という意見が強くあるように聞いています。 私自身は、新型コロナへの対応は「押したり引いたり」を繰り返すしかないと感じています。 年末年始、あれほど急速な感染拡大が生じた一方、1/13の宣言以降はすみやかに感染が減りました。県民の行動の微妙な違いによってバランスが変化し、結果が振り子のように振れたのです。 感染拡大は抑えなければいけませんが、飲食や小売り、サービス業の経営も大事です。感染が広がったら引き締める。感染が減ってきたら緩める。これを機動的に、柔軟に、繰り返すべきではないかと思います。 火種を徹底的に消すというのは、言うは易く行うは難し。第1波の後、新規感染は全国で14人/日まで減ったのに、火種を消すことはできませんでした。本気で火種を消そうとすれば、経済や生活の犠牲も甚だしいですし、一旦は抑え込みに成功したとしても、外国との行き来の"水際"をゆるめれば火種はすぐ入ってきます。 「不思議の国のアリス」の赤の女王のように、「その場にとどまるためには走り続けないといけない」ことになるのです。 私は、今回の宣言解除は「押したり引いたり」の一部ととらえています。 ⇒ もし感染が再度拡大しそうな状況になれば、再度、緊急事態を宣言して、県民や事業者の皆さんに行動制限をお願いする。 ⇒ もし宣言が効果を発揮して感染が減れば、ふたたび解除する。 ⇒ そうこうしているうちに、ワクチン接種が国民一般に広がって、集団免疫が成立し、本当の意味でコロナを「抑え込む」日が来る。 今後ありうべきシナリオとして、いかがでしょうか。 |