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大阪産業大学生涯学習論2025年度 - トピック返信
大阪産業大学「生涯学習論」2025年秋学期第2回授業全体講評
【返信元】 (2025/09/29)後期生涯学習論第2回目授業について
2025年10月02日 09:28
大阪産業大学「生涯学習論」2025年秋学期第2回授業全体講評

今回、多くの学生が「学習=自分の内側から起きる変化のプロセス」「教育=その変化を社会が支える仕組み」と整理し、両者の相互依存(車の両輪)を押さえられていました。特に、経験—とりわけ失敗—を通じた行動変容という視点は「クリティカルシンキング(批判的省察)」の入口であり、よく掴めています。一方で、抽象的な定義にとどまらず、自分の具体的な経験(最近の挑戦やつまずき)と結び付け、因果の筋道を言語化できると、議論は一段深まります。「いつ・どこで・何をして・どう変わったか」を短い事例で示してください。

掛川市の「5つの必要性」では、「教育改革としての生涯学習」を挙げた学生が多く、学歴偏重からの脱却や大器晩成型の承認といった価値観の更新に共感が集まりました。
ここで重要なのは、理念から実装への橋渡しです。企業・行政・大学・地域コミュニティそれぞれのレイヤーで、

①現状の評価基準が何を強化し、何を見落としているか
②そこに生涯学習の成果(資格外の学び、地域活動、越境経験、ピアレビュー等)をどう可視化・証明するか
③導入時の副作用(形骸化、格差拡大、手続きの複雑化)をどう抑制するか
の三点を具体策として提案できると説得力が増します。

次回は「一つの施策」を選び、実装ステップ(関係者・資源・タイムライン・評価指標)まで書き切ることに挑戦してください。

新しい知識としてラングランの「生涯教育」を正しく参照できている点も評価します。抵抗運動の経験から、政治ではなく教育を社会変革の手段と捉えた史的文脈に触れる記述は、学術的根拠に基づく思考の良い兆しです。今後は、出典(書名・頁、講義資料名)を明記し、引用と要約を区別すること、さらに自分の立場を一文で宣言すること(例:「私は、生涯教育のコアは『自己教育力×社会の支援設計』の相互強化だと考える」)を心掛けてください。立場→根拠→反証可能性→再主張、の順に構成すると論証が締まります。

優れた疑問も複数見られました。生成AIの急速な発展が「変化への適応」をどう変えるか、大都市での市民総会モデル移植の可否などです。疑問の提示に加え、暫定仮説を示しましょう。

たとえばAIについては、学習サイクル(情報収集→解釈→統合→表現→振り返り)のどの段をAIに委ね、どこを人間が担うべきかを役割分担で提案する。

市民総会の移植では、条件差(規模・匿名性・移動コスト・ICT環境)を明示し、「小さな公共圏」から始める段階的設計(学区・研究会・企業内コミュニティでの試験運用→オンライン併用→相互評価)を描く。
こうした「仮説つきの疑問」は、ポジティブチェンジへ向かう実践的思考を加速させます。

形式面では、指定字数(800〜1,200字)を意識し、「定義→対話の要点→掛川の一項目を深掘り→具体策→新出語の整理→疑問と仮説→学びと次の行動」の流れで段落を組むと読みやすくなります。

新出語は自分の言葉で20〜40字に要約し、講義資料の用語集に紐づけると復習効率が上がります。AIの利用は許容しますが、出典のない断定や、生成物の丸写しは不可です。生成支援を用いた場合は「どの工程で・何を・どう使ったか」を末尾に簡記してください(例:「構成の叩き台作成にAIを使用、最終編集は本人」)。

総じて、本回は「概念の区別」を越えて「設計と実装」への一歩が問われました。皆さんの視座は高く、論点も鋭い。次回は一つのテーマを絞り、関係者を特定し、測れる指標とタイムラインを置く——ここまで踏み込めれば、学びは確実に行動へと接続されます。小さく確実に試し、振り返り、改善する。その反復こそ、生涯学習と生涯教育をつなぐ実践です。

和﨑

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