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歌丸版「菊江の仏壇」では、かなり無理をして若旦那を庇っています。 つまり、理不尽な若旦那の行状を何とか許容範囲内に留めようと四苦八苦しています。 苦肉の策として、「若旦那の言い訳」を噺の中にそっと忍ばせています。 一方、米朝版「菊江仏壇」はカラッと乾いています。 若旦那を庇うような「言い訳」は、ほとんど出てきません。 噺の全編を通して、若旦那はお花への気遣いは微塵も見せません。 「よくもこんな事が出来るなぁ~、言えるなぁ~」と思える所業をこれでもかこれでもかと繰り広げます。 そして、迎えた最後の「おち」でスポットライトが当たるの … [続きを読む] |
この男、やっぱり世間の評判は悪いようです。 落語「菊江の仏壇」に登場する大店の若旦那のことです。 「菊江の仏壇」は昔から難しい事で有名な大演目であり、高座に架ける噺家は少ないのです。 落語ですから、「菊江の仏壇」も何らかの笑いが求められます。 しかし、最後まで続くこの若旦那の我儘勝手の行状を聞かされた聴衆は率直に笑う訳にはいかないでしょう。 それでも敢えてこの難しい大演目に挑む噺家は、みな実力者揃いです。 この噺の事実経過は至って単純です。 若旦那には、たっての願いで三顧の礼を以ってお迎えした才色兼備で気立ても頗る良い嫁お花がい … [続きを読む] |
上方落語界いや日本の落語界の大立者であった桂米朝師が亡くなって早いモノで3ヶ月が経ちました。 米朝師は、大看板が次々と亡くなり絶滅寸前と言われた上方落語界を再興させた中心的存在でした。 多くの噺家を育てると共に、多くの忘れ去られる寸前の落語のネタを復活させた功績も極めて大でした。 そんな米朝師が戦後間もない頃に、チリチリばらばらになっていた先輩噺家たちから根気強く聞き出して復活させた落語の中に「天狗さし」というネタがあります。 この「天狗さし」の主人公は、他人が思い付かないような珍商売を考案して一儲けをしようと企んでは失敗を繰り返 … [続きを読む] |
6月19日(火)午後6時30分開演の予定で、神戸の松方ホールで「柳家小三治独演会」がありました。何と開口一番に柳家三三を従えての豪華な高座です。 しかし、この日は台風4号が近畿地方に向かって来て夜には潮岬に上陸するという散々な天候でありました。(最悪の進路を辿ると大阪湾直撃の可能性もありました。) 松方ホールに電話で何度確認しても主催者も開催するかどうかの判断をナカナカ下せずに「検討中です」という返事が続いて、昼すぎにやっと「午後3時には開催か中止かを決めます。」との返事が返ってきました。 正午ころには「市川の水位があと10セン … [続きを読む] |
先日、NHKで桂歌丸師が「厩火事」を語っておられました。 この噺の主人公は、お崎さんという髪結いを生業とする中年のおばちゃんです。 旦那さんは、7歳年下で男前ですが定職を持っていません。この旦那さんは優しい所もあればどこか冷たい所もあって、どちらが本心なのかお崎さんには掴みきれません。 お崎さんは、これから自分も年をとって段々と見栄えも悪くなり稼ぎも減ってくるので「この男と共白髪まで添い遂げられるものか?」心配で心配で仕方がありません。 ちょっとした口喧嘩を切欠にして、お崎さんは仲人さんに日頃の心配事を相談に行きます。 仲人さんは、次の … [続きを読む] |
零落れた左官が気になって仕方がない。 その左官は、長兵衛という四十過ぎの男だ。 人情噺の傑作と云われる「文七元結」の主人公である。 吾妻橋の上で長兵衛は娘お久が吉原でこさえてくれた五十両を文七にやってしまう。 その五十両が返せないとお久が女郎に身を落とす事が分かっているのに、なぜ長兵衛は文七に五十両をやってしまうのか? 「長兵衛のその振舞いをどう語るか?」が文七元結の最大の聴きどころであり、噺家にとっては難所中の難所でもある。 多くの噺家が「文七元結」を高座に掛けているが、この場面を各人各様の解釈によって噺の辻褄を何とか合わせよう … [続きを読む] |
柳家三三 独演会の演目は2席。 三枚起請 中入り 文七元結 まずは、軽く「三枚起請」 吉原の女郎が、三人の男に末の約束を綴った「起請文」を渡し、それがばれて三人の男に詰め寄られるという噺です。 吉原の女郎に起請文を貰った若旦那が、有頂天になって廓通いに現を抜かしています。 ところが、他にも二人の男が同じ女郎から起請文を貰っている事が判明。 三人揃って、この女郎をとっちめに行こうという算段がまとまります。 するってぇとその途端に、この若旦那さん女郎に対する恨み辛みがパ~っと吹飛んでしまって、自分の事はすっかり忘れ … [続きを読む] |
ABCホールの会場は、常設席が約250席、高座のまん前に特設席約50席(パイプ椅子)が設けられ、合計300席が準備されていました。 開演の午後7時を前に、客席は順調に埋まっていきほぼ満席になりました。 そんな中、最前列のど真ん中の席が空いたままです。 この状態のまま、独演会は始まりました。 また、テレビカメラが一台スタンバイしていましたので、何れ朝日放送系列で「柳家三三独演会」が放映される可能性が高いと思います。 開口一番、三三さんはこう言いました。 「大阪へ癒されに来ました。」 その訳は、大阪での独演会の前に出身地小田原市の母 … [続きを読む] |
本降りの秋雨の中、ABCホール(大阪)で柳家三三独演会がありました。 開場予定よりも1時間半も早く環状線福島駅に着いてしまいましたので、早目の夕食を済ませるために駅前の大阪王将に入りました。 店員さんに「ABCホールまでどの位ありますか?」と尋ねたところ、「分かりません。」と素っ気無いお返事でした。 ABCホールは朝日放送本社に併設されているはずなので「分からないはずはないだろう!」と少しムッとしていました。 それを察したのか店員さん3名が何か話し始めました。チラチラと聞こえてくる言葉が私には全く分かりません。 暫くして店員さんが … [続きを読む] |
昨日8月18日(木)、柳家三三さんがMBSラジオ「こんちはコンちゃんお昼ですよ!」に生出演されました。 番組では、師匠柳家小三治師との師弟関係や修行時代のお話等々を面白おかしく語られましたが、本来の目的は来る10月14日(金)ABCホールでの「柳家三三独演会」の宣伝のためだったようです。 ちょっと不思議なことに、ネットで三三さんの出演情報を調べてみてもここ数日間は大阪あるいは関西での三三さんの高座はないのです。 つまり、関西での落語会のついでにラジオ番組に出て10月の独演会の宣伝をしている訳ではないという事になります。 そうすると … [続きを読む] |
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