連休中、ミント神戸で映画『バベル』を見た。（ネタばれ注意）

　人には、生れ落ちた時からの境遇がある。その瞬間、人には人種や文化、言葉が与えられる。そこに選択の余地はない。地球規模で見れば、一つのコスモポリタンな世界であり、神から見れば、多彩な創造物といったところか。
　「バベル」(BABEL)とは、旧約聖書に出てくる街の名前らしい。その昔、人間は一つの言葉を話し、一つの巨大な塔を建設した。それが神の怒りに触れ、以来、人間は一つの言葉を共有できず、多言語の民として世界中に散らばった。人類が抱く民族と文化の対立の萌芽を語る物語なのだろう。