明らかに、この金融危機・経済危機は、これまでの景気循環的な不況とは異質なものである。世界経済全体が逆回転し、収縮プロセスに突入している。経済活動とは、財とサービス、資金の循環によって成り立っている。この循環を媒介するのが、「信用」（金融）であり、「為替」であるのだが、今回の危機は、この「信用」と「為替」の機能に大きな打撃を与えている。いわば、経済循環を成すべき、循環器系の重篤障害である。しかも、その根源が、「基軸通貨国」であり、世界の最終需要を担ってきたアメリカ経済にある。本丸が炎上している。グリーンスパン元ＦＲＢ議長は、「

　先日までの怒涛のような展開から、一転した凪（ナギ）の状態にあるようだ。日本株や米国株の下落、円高、ウォン安も一旦、小康状態にある。このまま、危機は終えるのか、それとも、これは小休止に過ぎないのか。各国の金融対策が一定の効果を与えているのは確かなようだ。株価の場合、空売り規制が効いているのではないか。通貨危機には、ＩＭＦの対応と、ＦＲＢのドル通貨スワップ協定に韓国などの新興国を加えたことが効果的だった。ＣＤＳ（クレジット・デフォルト・スワップ）に代表される金融証券化商品に対する国際的な規制の枠組みも講じられるのだろう。

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