書き込み数は10件です。 | ◀▶ |
The World Top Incomes Database 上の日本の総所得(2010年)が、237兆円に対して、国民経済計算統計上の国民所得は、347兆円となっており、110兆円のズレがある。経済格差の現状だけを見るのであれば、金額そのものの大きさよりも、所得シェアが重要であるが、一方で、ピケティの議論では、資本収益率rが経済成長率gを恒常的に上回ることが格差拡大の主要因とされている。この場合の経済成長率は、GDP又は、このGDPから減価償却分を控除した国民所得の成長率になる。 また、資本分配率aと労働分配率(1-a)の議論や、資本/所得比率β=s/gの定式化もある。理論的には、ピケティ本の内 … [続きを読む] |
ピケティ本の再読は丁度半分を終えたところだが、最近、日本の所得格差の状況について、ネット上で色々と報じられているので、日本のデータを検証した。 日本の所得トップ10%や1%の層が具体的にどの程度のシェアを占めているのか。あるいは、トップ1%の所得水準とはいくらなのか。 「ピケティとその仲間達」(まるで映画の題名)が作成し、世界中に提供しているデータベースThe World Top Incomes Database (http://topincomes.parisschoolofeconomics.eu/#Database: ) に収録されている日本のデータを下記の通り整理した。 さぁ、ご覧あれ。意外な結果だ。 上から順番に見ていこう。 トップ10% … [続きを読む] |
TPPに関する興味深い記事。ロイターの記事でTPPに疑問符が付いた意義は大きい。 「米国は今では、自由貿易の相手国20カ国とのモノの貿易赤字が、年間1770億ドルに達している。ただし、過去10年間の米国の輸出の伸びを見ると、自由貿易協定を結んでいない国に対する輸出の伸びのほうが、協定相手国に対する輸出の伸びよりも24%高い」 一般に経済理論では、自由貿易は貿易当事国双方の利益に繋がると信じられてきた。だから、経済学者の多くは、自由貿易を礼賛する。ところが、今日では、事実は全く逆だ。自由貿易の先進国である米国ですら、自由貿易は自 … [続きを読む] |
「二度読む価値のない書物は、読む価値がない」(スーザン・ソンタグ) 「人は本を読むことはできない。ただ再読できるだけである」(ナボコフ) 実はいまピケティを再読している。あの分厚い本を。もちろんKindle版でだ。一旦、読み終えて全体の構成と著述の力点、論点を念頭におきながら、再度、詳細を確かめるように、味わい直す。読み取れなかった部分や、著述が前後して触れられた部分など、まだ途中だが、最後まで読み通したからこそ、発見できる部分がいろいろとある。'I will come back to this.'とか書かれ、実際にcome backされた箇所に気付くと嬉しくなる。この辺りは、入念に構 … [続きを読む] |
先頃の総選挙の頃から、「富める者が富めば、貧しい者にも自然に富が滴り落ちる(トリクルダウン)の経済理論がアベノミクスの基本的な考え方だ。だから、アベノミクスは、ピケティが指摘する『経済社会の不平等』を助長するものだ」という批判がうごめいている。先日の日経新聞書評欄でも、兵庫県立大学のS教授が同様のことを書いていたので驚いた。 トリクルダウン理論を基本とする経済政策は、レーガノミックスやサッチャーリズムが行った所得税の累進税率の緩和が典型的だ。サプライサイド(供給重視)の経済学が、「ラッファーカーブ」なるものを言いだし、富裕層への累 … [続きを読む] |
④県内市町の状況とまとめ(やや複雑) 最後に県内市町の転入超過(マイナスは転出超過)の状況。ここでは、年齢3区分ごとの転入超過を昨年と一昨年で比較する。 まず、県人口の転出超過増の要因は、神戸市が、1,339人の転入超過から、618人の転出超過に転換したことが大きい。これらには県内移動分が含まれるので、これを控除する。まず、2013年は1339人の転入超過だが、これには県内市町からの転入超過分980人が含まれるので、これを控除した県外転入超過数は、1339-980=359人。次に、2014年は、―618人の転入超過だが、これには、175人の県内転入超過が含まれているので、これを控除 … [続きを読む] |
③神戸市の状況 同様に神戸市の転出超過先を整理した。ここで注意すべきは、ここでの転出とは、神戸市から神戸市以外の他市町に移動したものをいう。だから県内移動を含んでいることに注意。 さて、神戸市は、昨年、平成9年以来の転出超過となった。これは深刻な事態であると思う。一昨年から昨年にかけて、二千人近い純転出の増加。但し、この半分近くは、県内市町からの転入超過の減少(約800人)が効いている。残りは、首都圏と大阪府への転出超過の増加。また、転入超過の都道府県からの転入超過数の減少も目立つ。 |
②兵庫県からの転出超過先 では、兵庫県から転出超過した人口はどこに向かったのか。今回、発表された昨年分(H26)と一昨年分(H25)を比較した表を作成した。 但し、一言お断りしたいのだが、先日、発表されたデータには、各都道府県への転入人口の転入前の住所地を整理した一覧表(第2表)はあるが、転出した先の住所地を整理した表(一昨年分の第7表)がない。どうやら、4月に追加で発表されるようだ。しかし、兵庫県への転入とは、転入元にとっては兵庫県が転出先にあたる。東京都への兵庫県からの転入は、兵庫県から見れば、転出になる。転入と転出は、視点を代えただけの呼 … [続きを読む] |
兵庫県の人口動態を分析したので、幾つかの論点にそって解説したい。 ①転入超過の推移 平成8年以降の転入超過数(マイナスは転出超過数)の推移を見ると、平成10年をピークに下降(転出超過の傾向)し、15年以降は、マイナスの転入超過(転出超過)を繰り返しながら、近年は、転出超過幅を広げている。 神戸市は、平成13年をピークに転入超過が減少し、昨年、ついに転出超過に転換した。 京都府、大阪府等の動向では、特に大阪府が、平成10年頃の3万人近い転出超過から回復傾向を強め、近年はほぼ転入超過を達成していたのが特徴的だ。 都市部では、特に大阪市が、平成13年に転 … [続きを読む] |
昨日(2/6)の神戸新聞朝刊で報じられたように、昨年の住民基本台帳人口移動報告が公表された。こんなにも早く昨年のデータが集計、公表されうるのは、住民基本台帳ネットワークで住民票が電算処理されている成果だろうが、結果は我が兵庫県にとって、やや厳しい内容になっている。 転出超過(社会減)が、7092人で全国ワースト3位なのだ。北海道が8942人で1位、静岡県が次に7240人で2位となっている。 神戸市も同様に厳しい内容だ。21大都市中のワースト4位。だが、転出超過数は、618人だから、兵庫県からの県外転出超過の大半は、神戸市以外の地域で発生していることになる … [続きを読む] |
◀▶ |