ひょこむに参加されているメンバーは、ほんとに
見識の高い方が多く、充実した交流が期待できます。長年、ホームページを運営して、匿名性から、無駄と思える交流も多くありました。
ひょこむの発展に期待したいです。
招待いただいた、こたつねこ様に感謝です。
アメリカの政治学者R.D.パットナムによる『哲学する民主主義』を契機に、1990年代後半から「ソーシャル・キャピタル」という概念が多くの研究者の強い関心を集めています。 パットナムはソーシャル・キャピタルとは「人々の協調行動を活発にすることによって社会の効率性を改善できる、信頼、規範、ネットワークといった社会組織の特徴」と定義している。そして「ソーシャル・キャピタル」が豊かなら、人々は互いに信用し自発的に協力するし、各種の公共政策も十分な効果を上げるというのです。 人は、つながりを失ったとき、利己的な行動に走るのかもしれません。「集合行為のジレンマ」ということが言われています。各人に協力するか裏切るかの選択肢がある場合に、個人にとっては裏切ったほうが得をするが、全員が裏切ると全員にとって不利な結果が生まれます。逆に全員が自分にとっては多少不利な協力をすれば、全員が裏切る場合より全員にとって望ましい結果になります。例えば、環境に悪いと知りながら車で通勤することによって大気汚染が深刻化し、その解決に大変な税金が必要となるが、各人が自発的に協力すれば簡単に排除しうるということなのです。 SNSは、まさに地域の信頼、規範、ネットワークを目に見えるものにし、それに人々の目を向け、豊かにしていくための道具であるといえましょう。 巨大なネットワークに育った「ミクシィ」が、ネット内の信頼の欠如からトラブルに見舞われたり、多くの地域SNSが期待される規模に達することなく伸び悩んでいる中、人の絆の持つ能力に注目した設計思想や運用方法を取り入れた「ひょこむ」が、二〇〇六年一〇月に開設されました。実名登録を徹底させたり、紹介者に後見の役目を義務づけたり、ネット上の個人同士の繋がりとして捉えるのではなく実際の地域社会の関係性を相互に活用するなど、これまでのSNSには見られなかった斬新な試みをはじめています。 http://hyocom.jp/ 開設してしばらくの間は、敷居の高さや手続きの煩わしさを理由に、SNSとして成立するかを心配されましたが、「地域のソーシャル・キャピタルの覚醒」を目指す熱い人たちが繋ぐ「絆の連鎖」は、予想を遥かに超えた盛り上がりを創出しています。これまで見過ごされてきた人と人の関係の間に潜む能力が、SNSの上で目覚めようとしているようにも感じられます。 SNSを活用して、志を共有し、新しいプロジェクトを生み出すことによって、新しい地域コミュニティを築いていく、新しい未来が、今見えてきつつあります。 「地域をはぐくむネットワーク」(昭和堂,2006年11月発刊予定)12章「地域づくりとSNS」より クトちゃん&こたつねこ著 |