なにがしか地域情報化に関わる活動をした経験がある人は、「公文俊平」博士という名前を聞いてピンとこない人はいない。「科学技術の急速な進歩と人間の対話と協働の能力の向上がもたらす知力の増進が新たな変革をもたらす」。1980年代から情報化にコミュニケーションの変化が社会のパラダイムシフトにもたらすことを「智民革命」と呼んで、全国の地域情報化活動をリードし続けてきた論客です。
公文先生らが、「研究と実践の場」として1997年に設立した団体が Community Area Network Forum(CANフォーラム)。国領二郎氏や丸田一氏など地域に軸足を置く超一線の研究者や草の根実践活動家たちによって、地域情報化のフロントランナーチームとして、内外に非常に高く評価されています。
http://www.can.or.jp/ 本日、このCANフォーラムセミナーの場で、いよいよ「ひょこむ」が全国デビューするチャンスを与えてもらうこととなりました。
http://hyocom.jp/bbs/bbs_list.php?bbs_id=14&root_key=1458 正式オープンからまだ3週間足らず、かくたる実績もなく、規模もまだ「小さな地域SNS」でしかないひょこむが、他の多くの地域SNSの取り組みを差し置いて主題をリードする役割を担うことができたのは、おそらく「地域」についての考え方と、情報化の展開に関するコンセプトの違いが、求める方向性を指し示す傾向として現れてきているからではないかと考えています。
CANフォーラムでは、現在、地域情報化の新しい局面が、地域の情報社会のリテラシーの成熟の融合と、ネット上の新メディアの登場・普及によって形作られつつあると考えており、丸田一CANフォーラム運営委員長は、地域情報化の三世代論を展開する中で「現在はメディアを地域イメージを形成する第三世代の地域情報化が登場している」と論じています。インターネット上では最新技術を取り込み、さまざまなメディアが実装され、広まり、SNSやWeb 2.0的アプリケーション群が社会に認めらているのはその好例。これらのメディアは、新しいコミュニケーション、新しいコミュニティを生み出しつつあり、いくつかの地域情報化の事例では、地域とその地域に関わる人材が、時間をかけて獲得したITリテラシー・情報社会的ふるまいを、地域の課題に応用することで成果を上げつつあります。これらが融合して、「情報社会の地域」が形作られつつあるというのが現在の局面で、この新しい局面の現状について理解を深め、今後われわれがどう振る舞うべきかについて、積極的に議論することをセミナーの目的としているからです。(セミナー説明のより抜粋)
いよいよ到来する「智民革命」の狼煙を、わたしたち兵庫の地から上げることができつつあると思うと、ここ20年以上かかわってきた地域情報化への挑戦の経験が、身震いするほどの興奮をわたしに与えてくれています。