冬ぬくきことも 不安となる世かな 馬場駿吉
「冬ぬくし」 「冬あたたか」という季語は、冬は寒いと決まっているのに《今年の冬は温いなぁ》と喜ぶ気持ちが込められた言葉であるが、この句はその言葉を逆手にとった作で、当然これは現代俳句である。
写真は2005年の11月26日に洛北の赤山禅院(せきざんぜんいん)で撮ったものだが、もみじと寒桜が同時期に見られた。
ここ数年、紅葉は年々遅くなり、春の花は年々速くなっていることを実感する。
われわれ日本人の季節感も10年後にはかなり変わっていることだろう。
考えさせられる一句ではある。