これまで、行政が地域SNSに取り組んだ事例は、政府の補助事業として実施された事例が多い。政府補助を受けると地方自治体からの支出は軽減されるが、公募・審査・採択という手順を経ることから年度当初からの事業着手が難しかったり、公募事業の内容に添った一定の枠組みの中での制限を伴うことがある。事業を推進する母体となる地域情報化の人的基盤が未熟な場合は、自治体単独事業として実施する方が賢明である。 また、担当職員の交代によって、苦労して築き上げたネットワークの活性が喪失される事例は少なくないので、組織としての対応を確立し、複数の職員に業務を担当させるなど、人事異動に影響を受けにくい体制づくりが必要である。 複数の部署にまたがるものも含め、自治体のコミュニティ施策と地域SNS運営の連携や、住民に対する行政情報の発信、住民との連携・協働アクションを積極的に行うことは、地域活性化だけでなく防災面からも大変重要である。 このように、行政の存在は地域SNSの運営には欠かせない重要な役割を持つが、普段は行政の立場で介入し過ぎないように留意したい。 |