ばあやは、公立中学のおちこぼれさんの御勉強を
みていますが、するべき事をゼンゼンやってません。それに引き換え、私立の子どもは、その辺の基礎をクリアし、自分で、自分に必要な、勉強の選択
も出来ています。それに、私立の先生は、しっかりしたプロ意識をもって自己研鑽されていますよ。
京都新聞の夕刊に有名中学への進学塾についていく為に別の塾に行ったり、家庭教師をつける家庭があり、その費用がかなり高額であるという記事が出ていました。 あまりにもバカなことのように思えますが、子供の中学受験をさせた経験からは“なるほどなぁ”と思えました。もちろん対象となる有名中学というのは国公立の医学部などに進学実績の高い学校のことで私たち庶民には縁の無いことのように思えるのですが、実は今問題の教育基本法の改正や教員免許の更新、教師の質というような問題と大きくかかわることだと思えます。 中学受験というのは特殊な技術のように思えます。塾ではそれぞれに選抜された子供たちに過去の問題、予想される問題にどのように対処するか、どう答えるかを教えます。拘束できる時間に制限があるわけですから、当然宿題があります。それはレベルが上がればあがるほど質量ともに恐ろしいものになります。 それを親の面子をかけて指導しようとした時、その単元だけを付け焼刃で勉強して教えたのでは子供がかえって混乱することに気付きました。 最低6年生の最後までにはどのようなことが教えられ、その教科がどのような流れで構成されているかをわかっていなければ教えられません。 塾では4年生であろうが5年生であろうが、学んでいるのは中学の受験問題だからです。 たとえば社会でダム建設のことが出てきたとします。ダムを作ることによっ水が確保でき、流水量をコントロールすることによって治水でき、水力発電ができる。と教えます。しかし出題される問題はダムができることによって、その砂防効果により、下流に土砂が流れなくなり、結果として河口付近では海の侵食によって海岸線が後退する。というところから出題されたりします。社会科などはまだ“なるほどな”の範囲なのですが、対象となる四教科すべてで同じことがおこります。 さてその結果として入った有名中学ではどんな授業がされるのか、一例です。 聞いた話ですから間違っていたらすいません。 元素周期律表って覚えておられますか? http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%91%A8%E6%9C%9F%E8%A1%A8 これが中学一年で完全に覚えさせられます。毎年この時期に、枠だけが書かれた表があり、それをすべて埋めさせるそうです。200人近くの生徒のほぼ全員が満点だそうです。これはできる子ばかりきている学校だからということもありますが、入学から一ヶ月あまりの間に“周期表上で元素はその原子の電子配置に従って並べられ、似た性質の元素が規則的に出現する。”という基本についてきっちり理解をさせている証拠です。 国語では一年生の終わりに“百人一首”をきっちり教えられるそうです。一般には高校古典の範囲だったと思いました。驚いて担当の先生のことを調べますと中世文学の研究者で多くの学術論文も書かれている方で、授業でされた歌の現代語訳も文法に基づいた、一般の意訳とは一線を画すきっちりしたものだと聞きました。 (古文の意訳の弊害については友人が研究中です。いずれ機会を見て紹介します。) これは極端な例ではありますが、行政の施策だけに責任を押し付けたような教育現場、ただ多忙をうったえるだけの教員、逆に学校の責任ばかりを追及する保護者と対比するとけっして私たち庶民にも関係ない話ではないと思えるのですが・・・。 |