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2007年05月17日(木) 


京都新聞の夕刊に有名中学への進学塾についていく為に別の塾に行ったり、家庭教師をつける家庭があり、その費用がかなり高額であるという記事が出ていました。

あまりにもバカなことのように思えますが、子供の中学受験をさせた経験からは“なるほどなぁ”と思えました。もちろん対象となる有名中学というのは国公立の医学部などに進学実績の高い学校のことで私たち庶民には縁の無いことのように思えるのですが、実は今問題の教育基本法の改正や教員免許の更新、教師の質というような問題と大きくかかわることだと思えます。

中学受験というのは特殊な技術のように思えます。塾ではそれぞれに選抜された子供たちに過去の問題、予想される問題にどのように対処するか、どう答えるかを教えます。拘束できる時間に制限があるわけですから、当然宿題があります。それはレベルが上がればあがるほど質量ともに恐ろしいものになります。

それを親の面子をかけて指導しようとした時、その単元だけを付け焼刃で勉強して教えたのでは子供がかえって混乱することに気付きました。
最低6年生の最後までにはどのようなことが教えられ、その教科がどのような流れで構成されているかをわかっていなければ教えられません。
塾では4年生であろうが5年生であろうが、学んでいるのは中学の受験問題だからです。

たとえば社会でダム建設のことが出てきたとします。ダムを作ることによっ水が確保でき、流水量をコントロールすることによって治水でき、水力発電ができる。と教えます。しかし出題される問題はダムができることによって、その砂防効果により、下流に土砂が流れなくなり、結果として河口付近では海の侵食によって海岸線が後退する。というところから出題されたりします。社会科などはまだ“なるほどな”の範囲なのですが、対象となる四教科すべてで同じことがおこります。

さてその結果として入った有名中学ではどんな授業がされるのか、一例です。
聞いた話ですから間違っていたらすいません。

元素周期律表って覚えておられますか?

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%91%A8%E6%9C%9F%E8%A1%A8

これが中学一年で完全に覚えさせられます。毎年この時期に、枠だけが書かれた表があり、それをすべて埋めさせるそうです。200人近くの生徒のほぼ全員が満点だそうです。これはできる子ばかりきている学校だからということもありますが、入学から一ヶ月あまりの間に“周期表上で元素はその原子の電子配置に従って並べられ、似た性質の元素が規則的に出現する。”という基本についてきっちり理解をさせている証拠です。

国語では一年生の終わりに“百人一首”をきっちり教えられるそうです。一般には高校古典の範囲だったと思いました。驚いて担当の先生のことを調べますと中世文学の研究者で多くの学術論文も書かれている方で、授業でされた歌の現代語訳も文法に基づいた、一般の意訳とは一線を画すきっちりしたものだと聞きました。
(古文の意訳の弊害については友人が研究中です。いずれ機会を見て紹介します。)

これは極端な例ではありますが、行政の施策だけに責任を押し付けたような教育現場、ただ多忙をうったえるだけの教員、逆に学校の責任ばかりを追及する保護者と対比するとけっして私たち庶民にも関係ない話ではないと思えるのですが・・・。


閲覧数2,967 カテゴリ日記 コメント8 投稿日時2007/05/17 12:52
公開範囲外部公開
コメント(8)
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  • 2007/05/17 14:42
    ばあやさん
    ばあやは、公立中学のおちこぼれさんの御勉強を
    みていますが、するべき事をゼンゼンやってません。それに引き換え、私立の子どもは、その辺の基礎をクリアし、自分で、自分に必要な、勉強の選択
    も出来ています。それに、私立の先生は、しっかりしたプロ意識をもって自己研鑽されていますよ。
    次項有
  • 2007/05/17 15:33
    鉛筆ROMさん
    >ばあやさん
    長い文章で申し訳ございませんでした。
    書き方が悪かったかも知れませんが公立と私立を比べようというのではなくて、その両方の先生に“しっかりしたプロ意識をもって自己研鑽されていますよ。”となっていただきたい気持ちをこめて書きました。同時に自戒も籠めて。

    先ほど元になった京都新聞の記事を書かれた記者さんから連絡を貰いました。今回の記事は、三月の末に中学受験を目的とする小学生に対する塾にスポットをあて、親のエゴで行かせるなら無意味という意見、ある程度の学歴の必要、子供の特性を伸ばす、三人のいろいろな考えを持つ保護者に取材し、結論的には子供の自主性の大切さ、タイムリーに子供を導くことの必要という記事を書かれた際取材されたことをあたためられていたそうです。

    社会的にも大きな問題を含んでいそうです。
    次項有
  • 2007/05/17 18:12
    ばあやさん
    すみません、ばあやのコメントが、悪かったのですね。
    ばあやの家は、始めから、私立ありきでした、
    公立出身は、ばあやくらいでしたのでね、
    でもね、公立と私立の格差いろんな所で、目にしましたよ。女の子は、とくにね。安心、安全が、一番です。
    次項有
  • 2007/05/17 20:44
    KomeWaさん
    親のエゴで人生を踏み外した子供たちの新聞記事を見るたびにまだこんなことをと思ってしまうと同時に自分自身の中にもエゴと押し付けがあることを思い知らされます。
    「親」と言う字は、木の上に立って見る。と書きます。
    次項有
  • 2007/05/18 18:59
    dynamite kidさん
    私の住むところは田舎なので、有名私立中学へ受験戦争を潜り抜けて入学する子供はほとんどいません。そのような学校が近くにないからです。

    私の知り合いの子に、親の期待を一身に浴び、期待を掛けられ厳しく育てられたが、ある日ブチギレして取り返しがつかなくなってしまった子がいます。親が気が付いたときには後の祭りでした。

    ばあやさんの言われること判ります。
    長女:解らないところが良く判らない。
    次女:解らないところは判るのだが、あえてやろうとしない。
    姪:苦手なところは解るまで徹底的に勉強する。勉強で人に負けたくない気持ちがある。

    この姪っ子は、国立○○高等専門学校に入りました。勉強が得意な子とはそういうものですね。

    我が家の娘達は、私の「娘の人生は娘のもの」という考え方のもと、指導はするが強制はしないのでまあのびのび育っていると思います。将来、私と同様に「あの時やっておけばどうなったかな」なんて思い出すに違いありません。

    学歴、知識がないばかりに好きなことができない、やりたい仕事に就けない、資格が取得できないなんて事になるかもしれませんが、今は言っても判らないと思っています。
    私にとって、これを良い方向に指導していくのはとても難しい...。

    次項有
  • 2007/05/18 20:39
    鉛筆ROMさん
    >dynamite kidさん

    突然重たい書き込みすいませんでした。
    次項有
  • 2007/05/18 20:49
    dynamite kidさん
    いえいえ、軽~い話題でニヤニヤすることから結構重めで真剣に考えたりする話題まで、いつも楽しみに読んでいます。

    私のコメントも重過ぎたでしょうか、と少し反省。(o´_`o)
    次項有
  • 2007/05/18 21:51
    鉛筆ROMさん
    思い出しました。パラソル立ち読みして“アル中”がトラウマに引っかかったようなで読まなかったんです。ハラハラ、ドキドキとグサーッてのが全く裏返しですね。
    次項有
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