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2011年02月24日(木) 

設計ミスにもいろいろあって、高度な設計ミスもあれば、初歩的な設計ミスもあります。

初歩的な設計ミスというのは、《技術屋やったら誰でも解るやろ》というような種類のものですが、これが案外多いのです。

 

昨日、花の写真を撮りに行った帰り、バス停へ歩いていたときにこんな光景に出合いました。

 

歩道安全柵のバーが垂れ下がったようになっています。《アホなやっちゃな》と心の中でつぶやきました。明らかに設計ミスです。

たぶん、やんちゃ坊主がバーの上に乗って上下に体重をかけたのでしょう。こうした悪戯をするのはもちろん悪いのですが、それくらいのことでこんな状態になるのは、この構造物自体に問題があるのです。

向いの安全柵を見ると下の写真のようになっていますが、上の写真もできたときはこれと同じだったはずです。

 

支柱とバーの取り付け部分(丸印)を見ると、このように大きく変形しています。ここに大きな力が加わったことが分かります。

 

この柵を真横から見ると下の図のようになっています。つまり、バーが支柱から横に突き出しているのです。こうした状態を「片持ち梁」と言いますが、非常に無理な構造で、先端部に力(荷重)がかかると接合部に大きな力(曲げモーメント)が生じます。そして、出っ張りが大きいほどその力は大きくなります。

バー自体はかなり丈夫なので、普通なら撓んだだけで力を外せば元に戻りますが、この場合は接合部が弱いために、そこが変形してしまったのです。

 

この場合、間にもう1本支柱を立てて出っ張りを小さくするか、あるいは接合部をもっと頑丈な構造にすればこのようにはならなかったと思いますが、設計者はそこに気がつかなかったわけです。

道路のカーブに合わせて曲線のバーを使ったことは、見た目には非常にスマートなのですが、こうなってしまうと見苦しいものになるし、安全柵としての強度自体も落ちてしまいます。

図面だけを見て判断をすると、往々にしてこういう失敗をします。技術者というのは多角的にものを見る目を養う必要があるのです。

土木構造物は安全・安心が第一です。


閲覧数1,292 カテゴリ連載読物 コメント7 投稿日時2011/02/24 12:33
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