昨日の新聞に、ノーベル平和賞受賞者でケニアの環境副大臣だったワンガリ・マータイさんが亡くなったという記事が載っていた。71歳だったそうで、惜しんであまりある死である。
マータイさんは、森林伐採によって荒廃した国土を緑豊かな国土に戻し、同時に一般国民を貧困から救い、女性の地位向上を目指す「グリーンベルト運動」を立ち上げ、貧しい女性たちの先頭に立って運動を展開したが、この運動は当時の政府から厳しい弾圧を受けた。しかし彼女はそれに屈せず運動を続け、国会議員にも当選して政治体制の変革にまで漕ぎつけた。ノーベル平和賞はそうしたことが評価された結果である。
ノーベル賞受賞後、毎日新聞の招きで来日したときのインタビューの中で、日本語に「もったいない」という言葉があることを聞かされたマータイさんはこの言葉の持つ意味にいたく感銘を受け、「MOTTAINAI」を世界共通語として広めようと言われたそうである。 多くの日本人が忘れてしまった「もったいない」という言葉を、アフリカ人であるマータイさんが再発見してくれたようで、日本人の一人として忸怩たるものがある。
こうしたマータイさんの生き方に感動した僕は、4年前に彼女の著書【UNBOWED へこたれない】を買って読んだ(http://hyocom.jp/blog/blog.php?key=14864 )が、これを機会にもう一度読み返してみたいと思う。
マータイさん、どうか安らかにお眠りください。 合掌
生前のワンガリ・マータイさん (小学館「UNBOWED へこたれない」より) |