2007年07月20(金) 今週は 3冊図書館で借りた本を読みました。 1) 市川 拓司著 「ぼくの手は 君のために」 病弱の幼馴染みとの はかない恋を描いた表題作と、 ビーダマがこぼれていく街のジオラマが印象的な「透明な軌道」。 こんなところ 本当にあったらいいなと思った「黄昏の谷」の3編。 映画になった作品以外も、「これ映像にするときれいだろうな」 という内容の作品が多いですね。 読んだあと なんだかとても暖かい気持ちになる短編集でした。 今度は「世界中が雨だったら 」を読もうっと。 私の評価:☆☆☆☆★ ◇ ◇ ◇ 2)伊坂幸太郎 著 「ラッシュライフ」 彼の作品は、いつもジグゾーパズルのようで楽しいですね。 今回も、4人の人物がそれぞれが主人公のように 話がパラレルに展開し、次第にパズルのピースが つながるように絡み合ってきます。 「オーデュポンの祈り」で出てきた”しゃべる案山子”の話や、 「フィッシュストーリー」の泥棒 黒澤も出てくるなど、 他の作品の登場人物も 重要なひとつの ピースとして 本作品を構成しているところが好きです。 どうやら「重力ピエロ」もつながっていたようで・・・ もう一度、読んでみます。 私の評価:☆☆☆☆☆ ◇ ◇ ◇ 3)藤原 伊織著 「ダナエ」 表題「ダナエ」ほか2編の短編集。 表題作は、レンブラントのダナエに硫酸がかけられたのと 同様の事件が起きる。なぜ?についつい一気に読んでしまった。 著者は2005年、5年生存率が約20%の食道癌であると告白。 でもこうして、素敵な作品を書き続けてくれて嬉しいです。 「テロリストのパラソル」もそうだったけど、 いつも作品に 絵画の風情を感じるので 私は好きです。 ただし、今回は あとの2作品がイマイチなので、辛目の評価です。 私の評価:☆☆☆★★ |