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2012年06月19日(火) 
(本年6月2日に姫路市で行われた行われた地域SNS全国フォーラム2C分科会の報告内容を再構成したものです。)



地域のキーパースンに聴く


まあ、暗い過去の振り返りはこのくらいにしたいと思います。未来をイメージできるキーワードをイメージするため、私は、地域SNSの「自分探しの旅」に出かけてみました。(笑)

まず、地域の方々に話を聞きました。ここで紹介する方々はちよっピーのユーザーでもあったのですが、現在はみなFACEBOOKユーザーです。町会、商店会の役員、青少年委員、お祭りの祭典委員などそれぞれ、いくつもの役職をされています。また、地元で商売をされていたりと、本来は、ちよっピーのアクティブユーザー兼SNSに絡めたイベントなどの仕掛け人として活躍を期待してよい人材でした。

話を聞いてみて感じたことがあります。コミュニティというのは、過去、天災・戦争などへの対策、そしてそうした災厄を避ける「祭」を基軸に構成さてきました。改めて、千代田区の伝統的コミュニティは神田祭・山王祭などのお祭りを実施するためのコミュニティという色彩が強いと感じました。三重県が伊勢神宮の遷宮の時間軸で動いているという話を聞いたことがあります。それにも似た構造が江戸東京の真ん中にもあると実感しました。

Facebookでもスパムメールやアプリが届くようになり「信頼性は大事だよね」という声も上がりました。しかし、ちよっピー時代に使い勝手が悪かったということもあってか、グローバルソーシャルメディアにくらべて、地域SNSのほうがいいよね。という明確な声はあまり聞かれませんでした。

また、商売を営むにあたってインターネットの役割は、楽天に与しようというようなものではないよね。そして、ソーシャルメディアなどを通じて商店の経営者などの「人財」を付加価値としたいねという声も聞かれました。例えば、あのお店の店主は「インラインスケートの知識は右に出るものがいない」とか、あの文房具屋さんは「面白い商品を紹介してくれる」といったことを発信していくことが必要でないかという話がでました。これは、この地域SNS全国フォーラムでキーワードの一つになった「情報の地産地消」と重なります。「情報の地産地消」を進めるうえで、信頼性のある情報の蓄積の場である地域SNSと、これらを外部へフィードするグローバルSNSといったような役割の融合がイメージできました。

今回お話を聞いた方々は、年齢的には40代後半から50代に入ったところ。お子さん方は、いわゆるMIXI世代。Facebookなども使い始めています。実際の地域の活動でも戦力となっています。しかし、伝統的コミュニティでは「雑巾がけ」の域を出ていません。お子さん世代が、地域コミュニティに影響力をもてる頃には、リアルを補完するツールとしてSNSが今以上に使われるだろうと思われます。今後、地域SNSとグローバルSNSとの機能融合により、「情報の地産地消」が進められるようなモデルの構築や普及に向けた支援があればとの声も聴きました。

そして、私がびっくりしたことが一つ。今回、お集まりいただいた地域の方々は、それぞれの地域で重要な役割を担っている方々なので、私の中ではみんな繋がっているだろうと思っていました。しかし、実際には初対面だったり、隣の地域で会ったことはあるけれど、こうして、胸襟を開いて話すの初めてといった方もいました。行政の職員は、全方位で一定のお付き合いをしており(私の場合若干踏み込みすぎですが・・・)知らず知らずのうちに、地域間交流のハブになりえるなあと改めて実感しました。




企業のコミュニティの仕掛け人に聴く


東京駅を中心として大手町・丸の内・有楽町地域があります。日本・世界の本社機能が集積する我が国経済の中心地です。通称「大・丸・有」といいます。ここで働くおよそ20万人の在勤者や企業に環境やライフスタイル、地域活性化などを切り口にしたコミュニティ形成に取り組んでいる「エコッツリア協会」を訪れました。「丸の内朝大学」や企業のCSR活動の連携などの取り組みをしています。

意外だったことが一つ。こうした取り組みにおいて、ソーシャルメディアをコミュニケーションの基軸にしていないということ。丸の内朝大学には様々なテーマのもとに環境学部、食学部、コミュニケーション学部、旅学部などがあります。また、丸の内周辺の飲食店を「学食」として位置付けています。たとえば、旅学部には富士山雑学登山学科という学科があったりします。こうした活動は、あくまでもリアルな教室が基軸になり、ソーシャルメディア展開はそれぞれのコミュニティの中のキーパースンが「個」として行い、組織で戦略的に展開していないとのことでした。そして、そのキーパースン同士が自発的につながることによって、別のクラスタとのブリッジが形成されるということでした。

また、丸の内の昼間区民は、「レイヤーでつながる」との話が興味深かったです。仕事・趣味・問題意識等、生活全体が「垂直統合されたつながり」ではなく、趣味なら趣味のレイヤーでつながると。エコッツエリア協会が京都朝大学をプロデュースしたそうですが、丸の内に比べ若干不調だったそうです。その要因分析として、京都で朝集まる人はやはり生活との関係性を抜きにレイヤーでは繋がりにくかったのではないかとの見方をされています。

単一のレイヤー共有を端緒にしながら、そのレイヤー以外にも偶発的に接点が見つかり、交流が深まり、生活も含めて親しくなっていく。そんな「SNS的」な交流のプロセスが面白いなあと感じました。



地域の声を聴いてみて

地域、企業のユーザー層のヒアリングをしてのちよっピーの省察です。

まず、第一に地域のニーズへの対応を怠っていたのではないかということ。

次に、ユーザー数やコミュニティのアクセス数などに目が行ってしまったのですが、「デジタルとアナログを双方向につなぐ人材の発掘、育成」に取り組むべきだったのではないかということです。ネット上のソーシャルグラフが話題になりますが、ネットの有用な地域情報をアナログで普及する人材が重要なのではないか。たとえばこんな事例があります。長岡のNPO「そいが」では、長岡市で受け入れた南相馬市の東日本大震災の被災者の方々に「南相馬ブログ新聞」を紙で発行・配布していました。これは、被災地・南相馬に近いところから、ブログ等で発信されているデジタル情報を束ね整理・編集して、故郷を離れ、故郷の今を知りたい避難所の方々に新聞として配布したものです。

また、一方、地域の口コミのアナログ情報をデジタルで普及する地域リポーター的な役割も重要です。災害時には地域に密着した被災情報を発信するということにもつながります。

また、千代田区の主要産業は実は不動産賃貸業です。賑わいの創出により床の単価が上がります。また商売をされている方としては、お店のPRは地域の外に発信したいとの思いがあります。信頼性と発信力が両立できるソーシャルメディアの組み合わせ。そんなあたりにも取り組むべきトリガーは早い時期からあったはずでした。

防災・地域振興・産業振興そういったテーマに応じてデジタルをアナログにして伝える。アナログの情報をデジタルで発信してあげる。ひょこむの和崎さんが提唱されている「情報団」のような人材・仕組みができてくればよかったのではないかと感じました。

そして、なによりもちよっピーが途中から「放置」になってしまった背景には「仕切る」ところがなかったことがあると思います。私も役人なので「組織」を創ることに腐心しがちです。しかし、たいそうな委員会・協議会でなくてもいい。持続可能な「運営ボード」、「運営ネットワーク」、「管理人連合」、「よりあい」、なんでもよいから、そんな緩やかな仕切りのカタチを創っていく必要があったのだろうと思います。

今思えば、ゆるくてもいいから、神田、神保町、飯田橋、麹町、丸の内など各エリアに、ラジオのパーソナリティのような人を一人二人と発掘して、ゆるーい運営ネットみたいなのが作れればよかったなあと思うのです。

それから、公務員がどう向き合うか。地域SNSやGSM(グローバルソーシャルメディア)の地域活動利用においてどうするか。私は、そんなことを考えるだけでなく実践して、率先して自ら、運営ネットワークを築いていけばよかった、と後悔しています。それで、facebookでやっているといういけではないのですが・・・

閲覧数1,089 カテゴリ地域SNS コメント0 投稿日時2012/06/19 09:59
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のあさん
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地域SNSがもたらすリアルな人脈の拡大や地域間の連携。すごく面白いなー…
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