先日あるコンサート会場のロビーでタンゴ歌いの仲間と出会ったので立ち話をしていたときに、ひとりが「R(rr)の発音が何年経っても出来ない」とこぼしだしたのです。「やって見せて」とすぐ傍で観察してみると何だか舌先を動かそうとしていることに気づきました。「そうじゃない、舌先には力を入れないで喉の奥から出てくる声に靡かせるようなあるいははためかせるようなつもりでしてごらん」と言ったところ「出来た!生まれて初めて!嬉しい!」と周りのひとが皆振り向いたくらいの歓声を挙げました。私もアドバイスが役だって嬉しく思いました。
以前から私はいわゆる”巻き舌”という言葉に惑わされているひとが多いのではと思ってはいましたが、じゃどうすればいいのと尋ねられても回答出来ないでいました。自分が自然に出来てることを説明するのは難しいことで、ひとの振りをよく見ることで自身が理解し説明できるのだと気づきました。やはりこれまでの日本語が間違っていたのです、さぁ皆さんRの発音は”巻き”舌から”はためき”舌と表現変更しましょう。だいたい「巻く」というのは自動詞なので舌を能動的にコントロールするのだと誤解してしまうのでしょう。他動詞の「はためく」を使うほうがこの場合適切なのです。 |