ドイツ・シェーナウの人々によって書かれた『原子力に反対する100個の十分な理由』を読むと、原子力に関していかに自分が無知であり、なにも理解できていなかったがよく解ります。これはドイツの小さな美しい街だけの物語ではなく、世界中、とくにいま日本で全国民が考え実行しなくてはならない命題です。原子力政策を政治家や企業家や一部の科学者だけに丸投げしていると、とんでもないことになるような気がしてなりません。 以下は、「原子力に反対する100個の十分な理由(日本語版)」に記載されている要約抜粋です。 http://100-gute-gruende.de/pdf/g100rs_jp.pdf ・・・・・・ #1 依存 すべてのウランは輸入に頼り、その2/3は僅か4社の巨大鉱山会社に似きられている #2 強制移住 ウラン産出は数多くの人びとの生活基盤を破壊する。 #4 放射能の汚泥湖 ウラン鉱石の99%以上は、毒性汚泥として窪地や湖に廃棄され数千年にわたり環境を汚染する。 #5 鉱山による癌 ウラン鉱山業は癌を引き起こす。 ウラン坑とその廃棄物の埋立場からの放射性・毒性物質は、そこでの従業員と周辺住民 を病気にし、癌の発症率を上昇させる。 #9 埋蔵量の限界 ウラン埋蔵力は、わずか数十年のうちに枯渇する。 #18 放射能の汚れ仕事 原子力発電所では何千人もの非正規労働者が汚れ仕事を処理している――多くの場合、 放射線防護の安全措置が十分でないまま。 #21 老朽化のリスク 原子力発電所は使えば使うほど、事故の危険性が増大する #22 報告義務ある事故・故障 3 日に1 度はドイツの原子力発電所のどこかで、「安全性にかかわる」事故・故障が発生している。 #45 百万年 核廃棄物とは百万年にわたる放射線危害である。 #50 再処理工場の嘘(その1) いわゆる使用済み燃料からの再処理は、核廃棄物からより多くの核廃棄物を作り出す。 #58 専門家の口封じ ゴアレーベンを最終処分場にするためにドイツ政府は、地質学者たちの口を封じた。 #66 安定供給 原子力発電所は安定供給をしているわけではない。 #71 電気の浪費 原子力は電気の浪費を促進する。 #72 補助金 原子力開発部門は数十億ユーロ規模の補助金を得ている。 #77 電気料金 原子力発電による電力が、電気料金を高騰させている。 #80 自由の剥奪 原子力は私たちの自由を奪い、私たちの基本的人権を制限する。 #82 警察の暴力 原子力反対の抗議活動を阻止するために国家は暴力を行使する。 #84 コンツェルンによる政治 電力コンツェルンの政治への影響力が大きすぎる。 #85 国民の白痴化 「原子力がなければ電気が消える」という作り話を、電力コンツェルンは30 年以上も語り続けている。 #87 倫理 原子力の利用は倫理に反する。 #100 エネルギー革命 原子力はエネルギー革命を阻害する。 |