「たいの鯛」という名前のお寿司屋さんが兵庫県のたつの市と赤穂市にあります。もともと「鯛の鯛」とは、硬骨魚の肩帯の骨の一部で肩甲骨と烏口骨が繋がった状態のもののこと。この部位は主に胸鰭を動かす時に使われる骨で、肩甲骨と烏口骨の両端で擬鎖骨に繋がった形でえら付近にあります。とりわけマダイのものが最も形が美しいのと、何れの魚の場合もこの部分はその魚ではなく鯛に似ているため、どの硬骨魚のこの部分も「鯛の鯛」と呼ばれています。

ご近所にお寿司屋さんはいくつもあるのですが、「たいの鯛」はどのお皿でも「お寿司食べてる♪」と感激があります。新鮮で綺麗なネタも炊きたてのシャリの酢あわせも我が家の好みにぴったりで、車で30分以上走ってたつの店に出かけます。こんなに苦労して到着してもディナータイムはすぐに座れることは皆無で1時間待ちもしばしば。それでも長いすに腰かけて家族の会話を楽しみながら待つだけの価値があります。長男が、この「たつの店」より美味しいと、ときどきひとりで食べに出かけているのが支店にあたる「赤穂店」。昨日は、赤穂市内の大学で会議があり、その帰りにふたりの息子を帯同して早めの夕食を楽しむことにしました。

場所は、JR赤穂駅から東南に徒歩5分。国道250号線からは「ジャスコ赤穂店」を南へ下りて「ヤマダ電機を西へすぐの赤穂幼稚園道路向かいにあります。店内は、15席くらいのカウンターと10室近いボックス席。広い店内に待ち合いが広くとられていて、家族連れをターゲットにして店づくりをしているのが一目瞭然。厨房の中の料理人さんたちも、フロアのお嬢さんたちも、店の規模から考えると少し多めの配置。これなら調理も接客も余裕をもって対応できます。そのおかげか店内は笑顔でいっぱいでした。

スタートは息子たちの定番「生えび」(200円)から。なんぼ定番だといっても、同じ皿を4つも頼むの~。続いて「たい(200円)」と「活あじ(150円)」。写真でみると普通のお寿司ですが、それぞれ食べると美味しさが口いっぱいに広がります。このあとガンガンとお皿か積み上がっていきました。

「北海水タコ(150円)」「やりイカ(100円)」「活ぶり(200円)」。お値段も、街中の回転寿司とほとんど変わりません。

引き続き、「ねぎトロ軍かん(150円)」「蒸しカキ(250円)」「活はまち(200円)」。カキは地元赤穂産で、身が大きくゆでたり炊いたりしても小さくならずに美味しい特産品です。

ここからのお皿は高級品。「極上生うに(500円)」「山盛りいくら(500円)」「大赤貝(400円)」。残念だったのが「山盛りいくら」で、どう見ても「山盛り」は誇大広告・神田の回らないお寿司屋さんでは、お皿にこぼれたイクラが食べられるように小さなスプーンがついてくるのに~。ここは改善の余地があります。

この日は17時頃に入店しましたが、ここまで僅か30分たらずの間にほぼ店内は満員になっていました。豪華から一転慎ましく(笑)「えんがわ(200円)」「生サーモン炙り(200円)」「甲イカ(100円)」。

「とろサーモン(250円)」「まぐろ中トロ(400円)」「ばい貝(200円)」。中トロは感激薄かったてすが、「本日のお薦め」と入り口の黒板に書いてあった「ばい貝」はシャキシャキぷりんぶりんの上質ネタでした。

わさびがもう少し欲しかったので板さんにお願いするとドカンし山盛りで登場。たいへんありがたかったのですが、半分残してしまいました。おおとろ・ずり・とろサーモンの3貫盛りの「極上トロ三昧(500円)」と、板長お薦め「豪華上にぎりセット(1,000円)」は、ちよっと高めかな~と感じながらも勢いでペロリと平らげてしまいました。

最後にはデザートに、「きなこわらびもち」と「桜餅アイスクリーム」。「あさりの赤だし」をもらってフィニッシュしました。お皿の枚数を数えているお嬢さんに「息子の嫁にいかがですか?」と声をかけたのですが、「本日はありがとうございました」とするり流されました。長男の進言通り、本店より赤穂店の方が美味しかっただけでなく、客の裁き方も絶妙でした。
「廻鮮寿し たいの鯛 赤穂店」
兵庫県赤穂市加里屋中洲2丁目22
0791-63-1488 (たつの店)
11:00 ~ 22:00(ラストオーダー21:50)
年中無休(正月元旦のみお休み)