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2013年06月18日(火) 
米国Netdayの影響を受けて、日本各地で学校の情報化を支援する動きが聞こえ始めた。しかし、群馬県前橋市や千葉県柏市などの限定的な事例を除いて、自律的に拡大する活動に育つケースはほとんどなかった。この転機となったのが、震災ボランティアを経験した住民たちが活動の中心を担った「はりまスマートスクールプロジェクト (以下、HSSP)」のネットデイである。彼らのモデルは、情報拠点としての機能や地域社会の核としての学校を支援する住民の仕組みを、ネットデイというイベントをきっかけとして構築することを目指していた。

教育関係者や保護者だけを参加させて安易に配線工事を実施するのではなく、自治会、婦人会、老人会、子供会など従来から地域で活動する既存組織を企画・立案段階から巻き込んで、より多くの立場の地域住民をネットデイの活動に参画させた。その地域連携ツールとして、ホームページやメーリングリストという本来バーチャルでグローバルな情報通信技術(以下、ICT)を、実際の地縁・血縁社会の中に効果的に組み込むことに成功したことが大きな成果に結びついた。HSSPのネットデイは、その後、沖縄、千葉、長野、和歌山、鳥取、神奈川など、日本各地で実施される活動のモデルとなり、「日本型ネットデイ」と呼ばれ、兵庫県と同様の効果を他の地域に与えている。

日本型ネットデイには、従来の学校が関与する活動とはまったく異なる特徴がみられる。
1)できるだけ組織的な動員をせず、参加者の自発を促す努力をする
2)参加者に多様な活躍の場をつくり、役割分担を行わずに個人が自主的に仕事を選択する
3)誰もが積極的に役割を担い連携する作業を企画する
4)教師が生徒に指導するのではなく、大人と子どもが共に学び合える場を作る
などである。

効率や能率を追い求めていたこれまでの仕組みと違い、プロセスの大切さを重視したこのような試みは、学校におけると従来の活動では得られなかった快感を、参加する人々にもたらした。米国Netdayでは実現できなかった、地域住民が互いに協力し支え合って成立させていた「縁日」のにぎわいを彷彿とさせる「場」が学校で再現され、地域全体で盛り上がる原動力となった。ネットデイは参加者相互に互いに相手を理解して不足する部分を積極的に補い合う「集合知」を認知させ、共に協力して地域に貢献しようという意識「協働知」を覚醒させた。相互に支え合う喜びを体感することで、震災ユートピアを再現することに成功し、地域組織を個人レベルから再ネットワーク化するきっかけとなっている。

日本型ネットデイは、普段から学校に関わる組織や団体の中の人材を個々に直接つなぐことで、参加者の間で組織や立場の枠を越えた信頼と連携を促進した。それぞれの立場でコネクターの役割を担ったのは、学校や地域のキーパーソンたちと外部ボランティアのリーダーたちであった。彼らは、地域内外のネットワークを結びつけ必要とされる人材や資源を的確かつタイムリーに供給した。

旧来日本では、「講」や「結」「無尽」などという人的つながりの仕組み「日本型」が地域社会を支える基盤を担っていた。そして、鎮守の杜をはじめとする精神的シンボルをよりどころとし、地域の会所を場する相互扶助的共同体によって、地域の文化が継承されてきた。日本型ネットデイは、明治以降から第二次大戦までの間、弱体化させられた神社仏閣に代わって地域社会のコアであった学校の役割を、再び体感できる場として蘇らせた。

日本型ネットデイは、米国Netdayの基盤となっていたキリスト教的ヒューマニズムを東アジア的相互扶助精神に置き換え、学校の持つ「空間の履歴 」と活動の仕組みが呼び覚ます感性を、教育の現場における地域の現実的課題意識と融合させて、鎮守の祭的な役割を果たす一大イベントとなった。学校がネットデイをきっかけとして「開かれる」ことによって、地域の会所としての機能を発揮したと言ってよいだろう。日本型ネットデイは、単なる地域協働による教育環境の整備イベントではなく、コミュニティへの帰属意識を覚醒させることによる地域社会の可能性を実体化させたと言える。

閲覧数826 カテゴリ日記 コメント2 投稿日時2013/06/18 14:44
公開範囲外部公開
コメント(2)
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  • 2013/06/19 12:32
    「はりまスマートスクールプロジェクト」懐かしいですね。

    人生の相当長い時間をこの楽しみの中に過ごせた事を心より感謝しています。

    参加させていただいたおかげで、沢山の良いお友達に恵まれました。
    次項有
  • 2013/06/19 13:43
    > ヨッシーのパパさん

    「はりまスマートスクールプロジェクト」はまだ健在ですよ~。
    「こょこむ」の運営母体のひとつになってますもん。
    次項有
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