1,420万kW/1,788万kW (09/26 12:50)
79%
■バックナンバー
■RSSフィード
RSS 1.0 RSS 2.0 Atom 1.0
■このブログのURL
https://hyocom.jp/blog/blog.php?key=221939
2013年08月06日(火) 
 
個性豊かな地域の文化を大切にしながら、地域開発グループなど住民による自発的な活動によって人の絆を強化しつつ、地域全体の元気を創出しているスウェーデンの事例に接すると、「金太郎飴」と表現されるように、固有の地域文化が希薄化して画一的地域社会の集合体として同質社会が形成されている日本の現状に憂鬱になる。

日本から支えあいの地域共同体が姿を消しつつあるのは、決して日本国民が個人的に自立しているからではない。逆に、人間は自立するがゆえに連帯する。日本では個人が自立していなかったゆえにコミュニティが崩され、政府によって永年の中央集権体制が築かれたのである。

米国の心理学者アブラハム・マズローが唱えた学説に「欲求段階説」がある。人間の欲求は,5段階のピラミッドのようになっていて,底辺から始まって,1段階目の欲求が満たされると,1段階上の欲求を志すというものである。

欲求段階説における5段階とは、
 1.生理的欲求 生命維持のための食欲・性欲・睡眠欲等の本能的・根源的な欲求
 2.安全の欲求 衣類・住居など、安定・安全な状態を得ようとする欲求
 3.社会的欲求 集団に属したい、誰かに愛されたいといった欲求
 4.自我の欲求 集団から価値ある存在と認められ、尊敬されることを求める欲求
 5.自己実現の欲求 能力・可能性を発揮し、自己の成長を図ろうとする欲求

欲求段階説は、人間性心理学や動機づけの理論を進展させたと評価されているが、個人的見解あるいはごく限られた事例に基づいた人生哲学に過ぎず、普遍的な科学根拠や実証性を欠いているのではないかという批判もある。しかし、集団の中での個人の行動を段階的に説明するには大変判りやすい理論である。

第二次世界大戦後の福祉政策の充実によって、先進国では飢餓的貧困問題がほぼ解決し「生理的欲求」や「安全の欲求」という低次の欲求は充足された。そして段階的により高次の欲求が芽生え「社会的欲求」「自我の欲求」「自己実現の欲求」を満たそうと動き出す。この過程では、欠乏欲求を十分に満たした経験のある者は、欠乏欲求に対してある程度耐性を持つようになる。そして、一部の宗教者や哲学者、慈善活動家などのように、成長欲求実現のため欠乏欲求が満たされずとも活動できるようになるという。

晩年にマズローは、「自己実現の欲求」のさらに高次に「自己超越の欲求」があるとした。そして、自己実現を果たした人の特徴として、客観的で正確な判断、自己受容と他者受容、純真で自然な自発性、創造性の発揮、民主的性格、文化に対する依存の低さ(文化の超越)、二元性の超越(利己的かつ利他的、理性的かつ本能的)などを挙げている。自己実現を果たした人は少なく、さらに自己超越に達する人は極めて少ない。

本来「真の自立」といわれるのは、この段階に達した人たちのことであり、スウェーデンの地域開発グループの仕組みは、自立した人材を育成する地域の装置と呼んでも差し支えないと言える。

閲覧数1,070 カテゴリ出版 コメント2 投稿日時2013/08/06 13:23
公開範囲外部公開
コメント(2)
時系列表示返信表示日付順
  • 2013/08/07 09:13
    aoitoriさん
    素晴らしい御意見、論文として感銘を持って読ませていただきました。
    マズローの名は知っていましたが、詳しい内容まで読んでいませんでした。
    日本の地域振興が、どうみても「金太郎飴」に見えていたので、すごく納得がいきました。
    スウエーデン、北欧はどういうわけか、教育制度も政治制度も一歩秀でていますね。
    次項有
  • 2013/08/07 10:41
    > aoitoriさん

    日本人は「個の自立」ができていないからではないかと思います。身勝手な個人主義がはびこってしまって自立どころか「個の孤立(バルネラビリティの減衰)」がどんどん進行しています。なんとかならないものかな~..。
    次項有
  • 次項有コメントを送信
    閉じる
    名前 E-Mail
    URL:
    ※画像に表示されている文字を入力してください。
■プロフィール
こたつねこさん
[一言]
地域を元気にする情報化に貢献したい♪
■この日はどんな日
■最近のファイル
■最近のコメント
■最近の書き込み