> お節介焼さん
そうです、全員顔だしSNSはたぶんいたまちだけ。
先生が1クラス、授業の中で紹介してくれて、それぞれ個人の考え方が日報に書き込まれています。なかなかしっかりした考えをしている子が多く、なぜかほっとしています。
昨日はある県立高校の学校評議員会でした。私自身、この学校は2校目の評議員で、通算7年目になります。この学校は、県内でも有数の進学校で、創立以来111年「文武両道」をモットーに、先輩たちが地域社会を支えてきました。生徒の指導も行き届いており、他校にありがちな問題もほとんどなく、評議員会も学校評価など、どちらかというとおだやかな議論が重ねられてきました。 いつものペースで学校側の報告に評議員が質問する形で進められていた会議でしたが、1年生・2年生の学習時間が延びない原因のひとつとして、学年主任の先生が発言した内容に一同驚かされました。本校では、保護者から理由書が出て相当であると担任が認めた場合には、学校への携帯電話の持ち込みを許可しています(使用は禁止されています)。高校に入学すると保護者などから合格祝いに携帯をプレゼントしてもらう生徒も少なくなく、2年生からはガラケーからスマホにシフトしたこともあって、多くの生徒がスマホを所有しているというのが現状です。 問題は、スマホによる「LINE」の利用拡大でした。それぞれ生徒同士でグループを組んで、さまざまな情報交換(宿題の回答もLINEで広がる)を行うというのは悪くはないのですが、「すぐに返信をしないと悪口をいわれる」とか「突然グループを外されていた」とかいうトラブルが怖くて、LINEを常時監視していないと気持ちが落ち着かない生徒が多いのです。学校で「LINEの利用が家庭学習を阻害しているか」というアンケートをとると、なんと1クラス分(45名)以上が「はい」と回答しています。1年生の塾通いが増えている理由のひとつに「塾だったから(LINEの)返信ができなかった」と言い訳ができるからなどという信じられないような言葉もあったといいます。 LINEの利用によって家庭での学習時間や意欲に悪影響があるのは、もちろん好ましくない状態ですが、教師や保護者からは見えない生徒たちだけのバーチャル空間の中で、人権問題につながるいじめや排除が行われていて、それに対する恐怖心を抱えながら高校生活を送っているという現状を考えると、本来は明るく楽しいはずの思春期の青春が人生、とくに情緒面での成長を大きく阻害するのではないかと懸念が深まります。 これを受けて学校は、ネット社会の影について専門家による講演会を行ったといいますが、LINEを初めとするネットツールによるコミュニケーションが改善される兆しはないとのこと。頭ごなしに知識のみを与えても、生徒たちを取り巻く環境自体が変化しなければ、よくなるとはとうてい思えません。唯一、可能性があるとすれば、生徒自身がツールの利便性と弊害をしっかり議論し、高校生としての使い方のガイドラインをみんなで作ることで、あるべき意識を自らしっかりと植え付けることしかありません。 しかし、先生方の意見は、教師自身がLINEに関する知識を持っていないので、まずは調査・研究を行ってから対策を検討するというもので、(校長はホームルームなどの活用を示唆しましたが)残念ながら具体的に踏み込む姿勢は見えませんでした。できるだけ早くなんとかしなくてはならないのに、歯がゆい思いがしてなりません。 本来、このような場合、学校評議員会は専門的な見地から先生方に助言や指導を行うことができるはずなのですが、現場で頑張っている先生方に外部評議員が強く発言することも難しく、生徒さんたちの小生のためにも、なにか別の方法を検討しなくてはならないなと感じています。 |