1,241万kW/1,793万kW (04/19 06:10)
69%
■バックナンバー
■RSSフィード
RSS 1.0 RSS 2.0 Atom 1.0
■このブログのURL
https://hyocom.jp/blog/blog.php?key=231717
2014年03月16日(日) 
兵庫県公館を舞台に、はじめての全国フォーラムを開催したのが2007年8月。それから、横浜、佐賀、宇治、松江・尾道、千葉、掛川、坂井、筑後、姫路、熊谷、安城と引き継がれてきたSNSフラッグ(宇治の団長さんちのテーブルクロス製)も、13回目の東京に持ち込まれました。ここまでのフォーラム運営は、開催地域の方々に予算も運営もすべておんぶにだっこ。大きな負担をかけながら続けてきましたが、東京でははじめて予算ゼロの有志によるボランティア運営を試行してみました。

司会者が当日午前2時過ぎに女気を出して引き受けてくれるなど、準備に半年以上かけてきたこれまででは考えられないようなドタバタも数え切れないくらいありましたが、蓋をあけてみると結構いけるやん。それぞれのパートをしっかりまとめながら、参加者の方々も含めて互いに足らずを補い合っていく雰囲気で、全体としてひとつになる素晴らしい運営ができました。

東日本大震災の黙祷から始まり、地域SNSの歩みを振り返ってくださった「開会挨拶」、防災情報基盤としてのSNSの使命をわかりやすく解説してくださった「基調講演」、SNSの持続可能性を目指す取り組み紹介の「プレゼンテーションタイム」、未来、女子力、防災に分かれて議論を深めた「分科会」、議論の成果を共有する「全体会」、今後の方向性を見える化して下さった「総括」、恒例の地域SNS愛唱歌「大切なふるさと」の合唱、補修のためドッグ入りしていた宇治から合宿地掛川への「SNSフラッグの引継ぎ」まで、ほんとうによくできました。

交流会では、ごろっとやっちろから、来年度地域SNSを開設される沖縄県まで、地域の情報ネットワークの歴史と未来が融合した2時間を、東京のコアメンバーが取り切ってくれて、情報交流だけでなく、それぞれの絆の醸成を実現することができました。

会場設営から片付け、中継までを担っていただき、この素晴らしいフォーラムを成功に導いて下さった最大の功労者である立正大学のみなさま、ええかげんな運営にめげずに頑張ってプログラムを仕上げてくれた関係者の方々、そして、お忙しい中、遠くからご参加下さったみなさまに心から感謝申し上げます。

閲覧数1,774 カテゴリ日記 コメント4 投稿日時2014/03/16 08:38
公開範囲外部公開
コメント(4)
時系列表示返信表示日付順
  • 2014/03/16 08:58
    第13回地域SNS全国フォーラム

    [開会あいさつ]

    井上賀博氏 (財団法人地方自治情報センター 研究開発部主席研究員)

    3月11日、東日本大震災から3年が経過した。全国の地域SNS関係者も、村つぎリレーなどで支援して

    いたことを記憶している。皆さんもいろいろな思いを持っておられることだろう。哀悼の意をささげるた

    めに1分間の黙とうをささげたい。東京からの思いが被災地、そして天上へと届くことを願う。

    自分が地域SNSという言葉を最初に知ったのは、2005年に総務省の実証実験の一環として「ちよっピー

    」が開設されたときではないかと思う。その後、地方自治情報センターでは2006年から2008年にかけて25

    箇所で実証実験を行った。その中にはちよっピーのように終了してしまったものもあるが、地域の重要な

    インフラにまで発展している事例もある。

    2006年には兵庫県のひょこむも立ち上がった。日本でもっとも元気なSNSのひとつだ。そのひょこむの

    サポートで、2007年に第1回の地域SNS全国フォーラムができた。その後継続的に開催され、今回で13

    回目を迎えた。東京での開催だが、特定のSNSがホストを務めるのではなく、各地のメンバーが集まっ

    てボランティアで運営する形式になったのも、ある意味で地域SNSの新しい方向性を示していると言え

    るかもしれない。

    mixiやfacebookなど、全国、全世界規模のSNSが使われるようになったが、規模が大きくなりすぎると

    できないこともある。地域に根差したSNSとは、顔の見えるコミュニティとして今後も取り組みが続い

    ていくのではと期待している。

    きょうはいろいろなテーマでの議論、総括がなされることになるだろう。自分もこのような高い所からあ

    いさつするよりも、一人の参加者として楽しみたい。

    ここで開会宣言の大任を果たさせていただきたい。

    第13回地域SNS全国フォーラム in 東京、開幕いたします。

    どうぞよろしく、お願いいたします。
    次項有
  • 2014/03/16 09:04
    第13回地域SNS全国フォーラム

    [基調講演]

    後藤 真太郎氏(立正大学 大学院 地球環境科学研究科 教授)

    今日は「災害情報後方支援における地域SNSの役割」というテーマで考えてみたい。

    自分がこの研究を始めたきっかけは、1997年に日本海で発生したナホトカ号重油流出事故だ。このときは3カ月で200万人もの人が非常に熱心に活動した。そういう人たちが地元に戻って各地に元気をもたらすのではないか、と見ていたが、残念ながらそうはならかった。

    災害時に多くの人が活発に動く状況は災害ユートピア、とも呼ばれる。この災害ユートピアを平時から醸成するような仕組みが必要ではないか、と考えた。当時はBBSぐらいしかツールがなく、そこに地図に貼りつけて情報共有していたが、それを進化させて地域SNSに取り組むようになった。2002年~2003年ごろはゼロからシステムを作っていたが、メンテナンスが大変。何かないかと探していたところ地域SNSのエンジンであるOpnenSNPと出会った。

    今日は次のような項目について話をしたい。

    1)東日本大震災に見る災害情報後方支援の課題
    2)情報認識の統一の事例
    3)内閣府総合防災情報システムと埼玉県防災情報
    4)訓練での利用事例
    5)災害情報後方支援における地域SNSの役割

    そもそも、情報認識の統一ということは普段から付き合いがあればさほど難しいことではない。例えて言うなら、同じ家に住んでいる親戚ひとりひとりにそれぞれ年賀状を出すようなことは普通しない。1通にまとめて出すだろう。そういう簡単なことだ。

    ところが、それを組織でやろうとすると、データの横断的な利用が難しくなってくる。東日本大震災のときには災害対策本部が40以上作られ、それぞれに活動していた。

    私の専門であるGIS関連のサービスもさまざまな主体が手がけていた。災害発生当時、リアルタイムではなかなか流通しなかったし、せっかく作ったデータがその後生かされていない、ということもある。

    そのうちのひとつ、sinsai.infoは世界600万人もが何らかの形で参加した。航空写真をデジタイズしたりもしたが、これを復興事業に生かそうとしても、航空測量規定にのっとっていない、などの理由で使われなかったりもした。様々な図面も作成されたが、統一的な管理ができていない。

    災害時の共助のためには、情報の目的別提供、時間・空間的に変化する情報の見える化、途中から活動に参加する者への配慮、平時に利用できる工夫、中間支援組織との連携などがポイントになる。

    それを実現するためには、時間や場所の制約を超えた情報交流空間が必要だ。それをなし得るのは地域SNSとGISを掛け合わせたものではないか。

    海外ではどうか。2010年に発生したメキシコ湾原油流出事故では、地図を情報認識のツールに使い、たとえば貴重な動植物の生息地域は優先的に対策を取る、といったことがなされた。また後日行われた環境調査の仕様なども盛り込んでいる。パスワードなどを使いアクセス権の管理はしているが、この地図が情報認識の統一に役立った。

    こういうことができるのは、米国で「ICS(Incident Command system、統一化された現場作業計画)」も要因のひとつだ。もっとも米国でもその確立には時間を要しており、2001年の同時多発テロを背景に完成されたと見る向きもある。もともとは、全米で頻繁に起きる大規模な山火事に際し、複数の組織、地域にまたがる作業をスムーズに進めるために提唱された仕組みづくりだ。それが原油流出事故や、2005年のカトリーナに代表されるハリケーン災害、そしてテロ事件にも応用されている。

    政府が立ち上げたICSのシステムに、NPOなどが参加することもある。自分たちの活動をこのシステムに登録しておくと、予算執行が認められることもある。誰に要請されたわけでもなく始めた行動、例えば『孤立した動物を助ける』といったさまざまな活動がひとつのシステムで情報共有され、いつ、誰がどう活動しているかがわかるようになる。

    一方、日本では救助犬の出動でさえ、統一的な管理がなされていないために、複数の機関が要請して同じところを何回も捜索する、というようなことも起きてしまう。

    災害の規模が大きいほど、情報を一元化するための約束事が必要だ。それを定義したのがICSだとも言える。誰の命令にしたがって、誰がどのように動いて、どのような様式で誰に報告するのか。それをマニュアルに沿って実践するためには、普段から訓練していなければならない。

    1989年に起きた米国史上最大の原油流出事故、エクソンバルディーズ号事故のあと、米国では油濁法を改定した。その第5章、8章はこの事故に関連する地域に限定した条項だが、そこには地域住民も参加する諮問協議会のことが規定されており「普段付き合い」を重視している姿勢がうかがえる。

    日本ではどうか。国家強靭化計画の中でこの分野も検討されているがまだ歩みは遅いと思う。2013年1月、内閣府と埼玉県が共同で行った総合防災システム訓練では、地図情報があってもそれをシステムが使えなかったり、といった問題点が洗い出された。

    普段使えないものを、災害時に使えるはずがない。仕組みを変える、仕組みを作るのが難しければ、中間支援組織が間に入ることも必要だろう。前面に出るのではなく、後方支援として、自治体やNPOの活動を調整していく。そのためにはまずICSを理解してもらい、訓練を通じて経験をもらわなくてはならない。

    今年1月、国土交通省「広域的地域間共助」構築共同型災害訓練が行われたが、ここでは地元の住民にも参加してもらうために、会場となった埼玉県杉戸町では「すぎと防災まつり」を開催して呼び掛けた。普段付き合いをしながらシステムを作っていこうという姿勢だ。杉戸町に大規模災害を受けて多くの都民が避難してくる、という想定の中で、自分たちが得意とする仕事をそれぞれが考える訓練も行った。

    災害対策本部の活動サイクル(Planninng P)をまわしていくのは、国家を挙げての取り組みというよりも、みんなが協力していく仕組みだ。杉戸町の訓練では、東日本大震災を経験した人に各グループに入ってもらった。

    GISの視点から言えば、データの流通とは、データどうしが仲良くなることだ。サーバー間でデータのやりとりができるようにしたするために、中間支援組織がデータの変換などを担う、ということが考えられる。

    直近の豪雪でも埼玉県の集落が孤立したが、そのときも複数のデータを組み合わせて地図上に表示し、この後雨が降ると雪がどう流れていくのか、その付近に集落はあるか、といった情報が分かるようにした。

    大島の台風のときも同様の情報を消防庁に提供した。日ごろからこうした活動、つまり普段付き合いができていれば、仲間も増えるし、訓練にもなる。

    このように、平時から地域情報の共有を成り立たせるのが地域SNSだ。さらにそれを見える化するのがGIS。これがあれば、時間的、場所的にばらばらでも情報がたがいに交流できる。

    SNSやブログ、ツイッターなど、いわゆるWEB2.0は情報を縦方向だけではなく、横方向へも発信されていく。そうなると、複数のグループで同じようなことをやっていることが分かったりして、コミュニティーが広がっていく。

    2009年の兵庫県佐用町水害のときには、普段からSNSに掲載していた写真が災害支援に役立ったり、ということが自然発生的に起こっていた。普段の行動、そして年に1度か2度の訓練が、こうしたことを可能にするのだ。

    禍福は糾える縄の如し、という諺がある。人間、悪いことがあると「明日はいい日だ」と自分に言い聞かせる。社会というのは、ハレとケ、つまり非日常と日常の組み合わせによって成り立っている、ということをICTを論じる際にも意識してほしい。「ハレのメニュー」と「ケのメニュー」を結び付けるのがSNSだとは言えないだろうか。

    災害時にICTが機能するためには、平時からICTを機能させておく必要がある。国家的なICSの取り組み、トップダウンの防災業務標準化も大事だが、これはどうしても時間がかかる。

    今必要なのは、ボトムアップな防災業務の標準化だ。誰の指示に従って誰がどのうように行動するか。その訓練を時間的、空間的な制約を超えてできるのが地域SNSの強みだ。


    [ディスカッション]

    ――旧来のメディアのように、中央集権的に輪転機や放送で一斉に情報を届ける、情報社会にとって本来あるべき姿ではない。情報の受け手ひとりひとりのことを把握して、その人に必要な情報を渡していく、個別配信が基本だ。

    世の中はインターネットでそうした方向に流れているのに、今の政府は間違った方向へ行っているような気がしてならない。

    一人一人を尊重して情報を渡すというのは、アナログでは難しかったが、デジタルなら可能だ。アマゾンのリコメンデーションシステムのようなものをもっと勉強すべきではないか。

    (後藤)
    あるIT企業のワークショップでは「デマ情報をどう排除するか」という議論をしたことがあるが、あまり意味がない。地域SNSのような仕組みを持ち込んでいくほうがよほど意味がある。

    ところが、世の中はどうしても「ビッグデータを瞬時に解析する」といった話が注目されてしまう。

    ICSに関して補足すると、カトリーナの際はニューオーリンズに本部ができ、800~1000人の体制で臨んだ。しかしこれは一枚岩ではなく、コマンドが通達できる5~7人の細かいグループが集まって動いていた。そうしたことを実現するために、普段の訓練は欠かせない。そこには新たなビジネスも生まれるだろう。


    ――災害時には、各SNS上に画面が表示されて、各地のユーザーが情報を共有できるような仕組みは実効性があるのではないか。このフォーラムで「地域SNSユーザーによるICS」のようなものをまず作ってみてはどうか。

    (後藤)
    まさにそれを目指している。中間支援組織は法律の縛りがあるわけではないので自由に行動できるし、もっと考えていきたい。
    次項有
  • 2014/03/16 11:44
    行きたかったです。
    次項有
  • 2014/03/16 21:31
    ご苦労様です。
    お疲れさまでした!
    次項有
  • 次項有コメントを送信
    閉じる
    名前 E-Mail
    URL:
    ※画像に表示されている文字を入力してください。
■プロフィール
こたつねこさん
[一言]
地域を元気にする情報化に貢献したい♪
■この日はどんな日
■最近のファイル
■最近のコメント
■最近の書き込み