全14回の授業ですが、早くも5回を終わりました。 http://hyocom.jp/community/?bbs_id=1311 リフレクションやグループ討議、おまけに授業時間外にSNSで指導され、社会人の人と交流を進められ....自分が学生なら「こんなじゃまくさい授業なんて受けられるか!」と激怒して履修取り消しをしているところですが、いやはや関学生のみなさんは優秀かつ意欲的で、大学院ゼミくらいの内容にもしっかりついてきてくれています。 初回こそ「オリエンテーション」が主でしたが、2回目から即フルスロットル。 第2講は「地域情報化政策とサイバー社会」 グループウェアとして利用する地域SNSの利用方法の説明、オリエンテーションの復習、授業の主題となる「地域情報化」について、その定義、概要、系譜を理解する。 第3講は「地域情報化活動とサイバー社会」 サイバー社会の誕生から成立までのプロセスを概観する。主に、国家的政策としての地域情報化の変遷、パソコン通信からインターネットへの移行、草の根地域情報化の事例と共通要素、インターネットの普及とサイバー社会構築などを論点整理した上で、グループ討議を行い発表する。 第4講は「インターネットとサイバー社会」 教育の情報化と地域のつながりの再生を狙って展開された市民運動「ネットデイ」を取り上げ、情報社会構築の歴史を辿るだけではなく、その中にどのように地域情報化の萌芽が起こり、社会運動に拡大していったのか、多方面にわたって考察を深めていく。ゲリラ的な市民活動から国家プロジェクトにまで育った「ネットデイ」について、「米国のNetday活動」「日本のネットデイの展開」「地域ぐるみの市民活動への転換」「ネットデイの実施内容」「成功へのポイント」などについて時系列・ステップ毎に振り返る形で解説する。これらの要素を押さえながら、ネットデイの狙いがボランティアによる学校の校内ネットワークの敷設ではなく、地域のつながりを可視化しエンパワーメントを覚醒させるきっかけとなっていることを押さえて、それぞれのチームでポイントを絞り、グループで討議を行い、グループ発表する。 第5講が「ソーシャルキャピタルとサイバー社会」 その涵養が現代社会の大きな課題となっている「ソーシャル・キャピタル」について、歴史的動向に関する研究、近代の理論的背景、パットナムの定義、ICTとの関係などについて論説・考察を行う。とくに、パットナムのソーシャルキャピタル論を軸にその概要と社会的重要性を整理・考察し、今後の授業展開における目標(社会的信頼と互酬性の規範が補完的に関係するネットワークの構築)を明確にし、グループ討議と発表を行う。 とても内容の濃い授業を、グループで役割分担をしてみんなでしっかり頑張って考えてくれています。その成果が早速、個人のリフレクションに見える化されてきました。不明な部分を自分で検索して、その中でさらに深まった疑問を提示する。一年生が1/3を占める構成で、これだけのことができつつあるというのは、関学生の優秀さと協調学習の効果ではないかと考えています。 再来週の5月28日には、元日経メディアラボ所長の坪田知己先生をお迎えして「サービス文明で溶解するメディア」というテーマで、サイバー社会におけるメディアの展望をお話しして頂きます。本当なら何十万円もかかる講演ですが、晩飯と日本酒で誤魔化してしまうところがこたつネットワークの威力(笑)。 氏の豊富な経験やキャリアに裏付けされた本物の考察は、メディア志望の若い学生さんたちに大きな衝撃を与えてくれることと期待しています。せっかくの機会なので、関西学院大学のメディア関係の先生たちには開講をご案内するつもりです。もしも一般の方で聴講を希望される方がありましたら、小生までお知らせください。 関西学院大学総合政策学部「サイバー社会論」第8講 『サービス文明で溶解するメディア』 講師:坪田知己氏・元日経メディアラボ所長 教室:神戸三田キャンパスⅡ304教室(兵庫県三田市学園2−1) 日時:2014年5月28日(水)9:00~10:30 来学に際しては、下記をご参照ください。 【自動車】 正門(祥雲館高校側)左にある教員駐車場をご利用下さい。 ゲートで発券する駐車券をお持ち下さい。お帰りの際に守衛室で出門処理をします。 http://www.kwansei.ac.jp/pr/pr_000610.html 【バス】 JR三田、新三田、三宮バスターミナルから乗車できます。詳しくはHPでご確認ください。 http://www.kwansei.ac.jp/ksc/ksc_000123.html 授業終了後、ご希望の方はしばし場所を変えて、意見交換する時間を持ちたいと思います。 |