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2014年05月29日(木) 

第十四話「創発する地域のキーパーソンたちの集合知」

サイトによっては若者たち中心のネットワークも少なくないが、一般的に地域SNS利用者の平均年齢は比較的高い。「ひょこむ」もその例に漏れず40代後半のメンバーが中心になっているので、この日のように若者たちがまとまって参加するオフ会はあまり経験がなかった。「オフ会」とはオフラインミーティング(Off-Line-Meeting)の通称で、インターネット上で掲示板やチャット等を使って(オンライン)知り合った者同士が、実際に集まって(オフライン)わいわいと交流すること。それまで実際には面識がなくても、ネットで事前にさまざまな情報のやり取りをしているので、びっくりするほど打ち解けやすい。オフ会での出会いや会話が、実際の交流や活動につながることも少なくない。まさにバーチャルなソーシャルネットワークがリアルにつながる絶好の橋渡しの機会になっている。

スタート直後は、ブレストした数人が発表したチームの仲間と一緒になってこの日のアイデアソンでの出会いの感動を共有していた。どちらも年長者が話題をリードして、子どものような世代の年齢の若者たちはやや控えめに見えた。そして、話題が自然に一般的なやりとりからアイデアソンの振り返りに遷移すると、優勝した「SNS連携地域型共同購入クーポンシステム」にいかに自分たちのアイデアを活かせるかについて、全体がひとつになって語り合い始めた。若者たちの積極的発言と自発的な行動が、年長者のスキルや経験を引き出す役割を担っていた。

「料理の写真を美味しそうに上手に撮るのはなかなか難しいんだよ」。元は有名な老舗の日本料理店で永く板長を務めた坂本忠俊(78)が発言した。大学生の津川がすかさずホワイトボードに内容を書き留める。坂本は板場を引退した後、仕事の包丁を趣味のカメラに持ち替えて、今では多くの弟子を持つスチルカメラ教室の先生である。「ぼくの仲間に呼びかけて、料理の撮影の手伝いをお願いしようか」と語ると、全体から大きな拍手が起こった。

次に発言したのは、オーナーシェフの宮越だった。「今日はシェ・マエサトの前里(政夫)さんは営業日なのでここにおられないんだけど、以前から大学生のみなさんの動きのことを聞いていて『クオリティの高いいいお店に参加してもらうにはどうしたらいいだろう』と相談していたんだ」。企画が狙う良質な店舗は、往々にして現状維持で変化を望まないケースが少なくない。「前里さんとぼくには、イタリアンレストランのシェフが交流するネットワークがあるので、ぼくたちが仲間ひとりひとりに取り組みを紹介して参加依頼をしていくよ」。宮越の言葉には、どこか使命感のようなものが感じられた。

「フレンチと和食なら、卒業生や仲間のネットワークがあるのでこちらでつなぎましょう」。60年近く、調理師、栄養士、製菓衛生師(パティシエ)を養成してきた専門学校長の水野譲二(52)がフォローした。宮越や前里のように飲食店には、それぞれのカテゴリーでネットワークのハブになっている人材があるという。この世界で絶大な信頼がある水野から橋渡しをしてもらえれば、その接続効果は計り知れない。「地域のグルメ情報は圧倒的に不足していて、特にグルメサイトはまったく信用できません。なのでぼくも少しでもつながり感があるFacebookで情報収集しているくらいなんです」と地域のグルメ情報の現状を分析し、この企画の展開に期待を示した。

「運営する立場では何も応援できないけど...」と言葉を発したのは平山彰(67)だった。平山は大手企業を退職したのち、シニアの社会貢献とやりがいづくりをライフワークとして、地元のシニアたちにパソコン教室や地域活動の場を企画・運営・提供していていた。若い頃と比べると時間もお金も少しだけ余裕が持てるようになり、夫婦で行動する機会も多くなってきていた。「老夫婦でゆっくり楽しめるお店ってなかなかないので、お客として利用させてもらえるなら多くの人たちが喜びますね。それに、足腰はやや不安になっても頭も手もまだまだしっかりしているから、店舗のレポートなんてのもお手のものです!」。平山の言葉は、ターゲットを絞ったスモールスタートにぴったりだった。

そこに、郊外で幼児向けの英語教室「A YUMMY STUDY 伸学土台教室」を運営する藤田文美(41)のひとことが企画の懐を大きく拡げるきっかけになった。

つづく

この物語は、すべてフィクションです。同姓同名の登場人物がいても、本人に問い合わせはしないでください(笑)

閲覧数881 カテゴリ日記 コメント0 投稿日時2014/05/29 03:47
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