今日は京都の東山の上にある墓苑(行政区では山科区へ入ったところ)へ墓参りに行き、帰りは例によって東山界隈を歩いてきました。 いつもは墓苑までタクシーを利用するのですが、このところ運動不足なので駅から歩いて行くことにしました。
京阪の清水五条駅から東へ、旧渋谷(しぶたに)街道を上りました。駅を出たときは小雨が降っていて、ひどく蒸し暑い天気でした。でも、傘を差さずに歩けるほどだったので、汗をかきかき頑張って歩きました。 渋谷街道へ出る前に京都らしい街並みのところがあります。有名な陶芸家・河井寛次郎(1890~1966)の記念館があり、その並びには陶芸作品を扱う美術店があります。
このあとは、緩いけれど長い坂道をただ黙々と上って、国道1号東山トンネルの横にある「花山洞」という明治時代に掘られたトンネルに辿り着きました。そのときは汗びっしょりになっていました。 トンネルを見ると、中がよく見えません。霧か霞か雲か分かりませんが、トンネルに充満しているのです。撮った写真を見るとピンボケのようですが、これはレンズが曇ってしまっていたのです。トンネルの中はひんやりとしていますが、すごい湿気で不快指数は100%。水蒸気の中にいるのですから湿度は100%だったのでしょう。 しかし、150mほどのトンネルを抜けるころには入ってきた入口が見えるほどになっていました。狐につままれたような気持でした。
少し戻って車が通る道路を通ってトンネルの上に出、その少し先にある墓苑まで上りました。 墓参りを済ませたころには雨も上がり青空が見えるほどになっていました。(写真の正面に見える建物の中に仏壇式のお墓が並んでいます。)
コンビニで買っていったおにぎりで軽い昼食をとり、坂を下って清水寺の方へ歩きました。清水寺へは裏門から入りましたが、入ったところに「子安塔」という可愛らしい三重塔(重要文化財)があります。つい最近修理が終わったばかりで、鮮やかな朱色が緑の山に生えて美しい風景でした。 塔の北側は谷になっていて、谷の向うに巨大な本堂が望めます。この大きな建物の全貌を見ることができる唯一の場所です。今日もたくさんの参拝客が舞台の上を埋めていました。
清水寺を通り抜けて、観光客でごった返す清水坂→三年坂(産寧坂)→八坂の塔→庚申堂へと下りました。 三年坂にある「香」の専門店・松栄堂の店先に丈の高い鉢植えの草が置かれていました。このお店は、いつも四季折々の花を店先に飾っておられるのですが、今日は松毬薄(まつかさすすき)という希少な草でした。
その筋向いの飲食店に京都らしい看板が懸かっていました。「むしやしない処」と書いてあります。「むしやしない(虫養い)」は、京都や大阪で僕らの年代から上の人が使っていた言葉で、小腹の空いたときに腹の虫を抑えるために食べるちょっとしたものを表す言葉です。 また、庚申堂の前から八坂神社へ下る下河原通を歩いていたら、何軒かの飲食店の前に面白い提灯がぶら下がっていました。妖怪ブームもここまで来たんですね。 (^_^)
八坂神社、円山公園を通り抜け、知恩院の前を通って白川のほとりへ出ました。 石造りの一本橋「行者橋」を小走りに渡っている人がいました。手慣れたものです。 その向こうでは子供たちが川の中で遊んでいました。気持よさそうです。 白川には、道路から水辺に下りる階段がところどころに設けられています。植え木に遣る水や打ち水に使う水を汲む水汲み場ですね。昔は、野菜を洗ったり洗濯に使う水としても使われたことでしょう。 川に直接面したところでは、床を下げて水面をより近く見せるようにしたカフェもあります。
最後は祇園の街を歩きました。お茶屋が並ぶ風景は、いつ見ても美しいものです。
10㎞ほどのウォーキングでしたが、とにかく暑い京都でした。 |