駅の構内にたこ焼き屋がある。店頭売りのほか、小さな店内に10人ほどが座れるカウンター席がある。
この店ができてもう20年以上になるが、先日初めて入って食べたら美味しかったので、その後何度か入るようになった。ここのたこ焼きは醤油味で蛸も大きい。
今日は 「ねぎマヨ」 というのを註文してみた。普通に焼いたたこ焼きの上からマヨネーズをかけ、天かすをばら撒いて、刻んだ葱をバサッと載せてある。値段は普通のたこ焼きと同じ6つ300円、8つ400円である。割安だ。葱の好きな僕にはありがたい。これからは 「ねぎマヨ」 オンリーでいくことにしよう。
ここの店員さんにはいつも感心させられる。その手際のよさにである。
鍋は銅製で、縁が1cm ほど上がっている。そこへシャブシャブの生地を柄杓で流し込む。海のような状態だ。そこへ蛸を1個づつ入れ、天かすと葱と紅生姜をばら撒く。この段階では鍋の上はまだ混沌としている。
それを1本の箸で器用に返していく。火力は強火のままである。ぐずぐずしている間はない。
するとどうであろう、見る見るうちにボールにまとまっていくのである。いつの間にか箸は2本になっている。ここからは火を弱めてこんがりと焼き上げるだけである。
これを職人芸と言わずに何と言おう。僕から見ればまさに神業である。
美味しいたこ焼きを食べ、みごとな職人芸を見ての400円は安い。