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2015年04月22日(水) 

2009年04月28日(火)
MMSストーリー・第5話 「地域情報化ベンチャーの誕生」

 震災直後の95年2月下旬から3月にかけて、政府が兵庫県対策本部を通して、小中学校を中心とした避難所約200カ所に、各メーカーから拠出させたパソコンを配備しようとしました。この話を新聞で読んで「こりゃ、あかんわ」と嘆いた方々も多かったことと思います。そして、その多くは活用されることのないまま放置されたり、パソコンが配布されたこそさえ知らない避難所があったりしたり、結果としてほとんど成果を上げることはできませんでした。

 賢明な皆さんなら既にお分かりの通り、ハードだけを渡しても、それを利用する術をサポートしなければ、いかに素晴らしいものでも無用の長物と化してしまうのです。ハードの配布と同時に、避難所内での組織づくりとそれを支援する情報ボランティア。また誰でも読み書きできるような簡便なアプリケーションの提供とそのレクチャーなど。手のかかる作業を抜きにして形から入ろうとした政府の失政は、当初からあきらかでした。

 そこで、IVNパソコン通信サポートチームの川村哲也さんたちや、CSKの作山さんのグループは、60カ所以上の避難所を回って、それらの機器を利用できるようにし、また講習会を開いたりして利用者を増やそうとボランティア活動に汗を流しました。こうやっていくつかの避難所は、自らが情報の受発信ができるようになり、少しずつではありますがネットワーク化されていくことになります。

 作山さんはこの時に「やはり普段からパソコンに慣れ親しんでおかなければ、いざというときに迅速に役立てるということは難しい」と実感したそうです。その後彼は、企業での仕事の合間に「SAKU塾」というパソコン道場を自宅において、ボランティアで地域住民の人々に、パソコン活用のための指導を行っていくことになります。地域におけるインターネットの展開など、従来はその華やかさやグローバルさに見落とされがちな地元の情報交流をベースに、失われつつある良い意味での地域コミュニティを再生しようという彼のおもいは、ついに今春、永年勤めたCSKを退職し、「SAKU塾」を阪急淡路駅周辺の「菅原地区」をベースとした地域情報化プロジェクトとしてスタートさせるにまで至りました。

 一見無謀(実はそうだったりして..(^^;)と見える作山さんの生き方も、「ベンチャーのすすめ」からいうと大変理にかなっているということができます。
起業家として大切なものは「ビジネスを始めるときには、必ずビジョンが必要」ということです。ただ、お金を稼ぎたいとか、今の生活を変えたいというだけでは、これからのビジネスは成功しません。「時代が求めているものは何か」「世の中の人たちは何に満足していて、何に飢えているのか」というような自分なりの明確なビジョンを持たなければ成功はありえないでしょう。将来のビジョンを10人の人に語ったときに10人全員が「それは成功するよ!」と答えてくれた仕事は多分、成功しないのではないでしょうか。今がピークであり競争も激しく今から参入したのでは遅すぎるからです。起業家は常に孤独な決断をしなければならないものですが、「SAKU塾」は、このビジョンや独創性の点では、まさにベンチャーそのものと言うことができると思います。

 情報化が地域のコミュニケーションとしてツール化されれば、より緊密な情報交流が生まれ、噂やデマなどに左右されることなく、相互の理解は進展することでしょう。またインターネットで接続された「家庭」には、新たな可能性が拡がっているものと思います。情報化の良い面を地域にとけ込ませるとともに、そこから人間性を生み出していこうという作山さんの願いは、来るべき21世紀の社会そのもののように感じられます。

閲覧数489 カテゴリ日記 コメント0 投稿日時2015/04/22 05:55
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