2009年04月28日(火)
ＭＭＳストーリー・第６話　「官民一体の地域情報化を目指して」

　さて、１３時３０分の予定通り開始された講演は、まずＣＳＫ(株)西日本事業本部営業支援部課長・作山喜秋さんが、約４５分「地域コミュニティの情報化プロジェクト」ととして、持論と実践報告をされました。続いて、「『情報団』の組織化と運用に向けて　－行政とボランティアの役割分担と連携のあり方について－」というテーマで、徳島大学総合科学部助教授・干川剛史さんの講演がありました。

　干川先生は、震災後ボランティアとして徳島から淡路にわたり、北淡町・一宮町などを中心に、被災地に入り込んだまま情報発信をサポートする経験をされました。磯崎泰博さん、筒井秀幸さんをはじめとする「淡路島担当コーディネーター(ボランティアのためのボランティア)」やＳＦＣ(慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス・ここで金子郁容教授らとの接点が生まれる)の院生や学部生たちと、長期にわたって継続的に支援を行う中で生まれた『ボランティア情報団』の構想は、そのまま洲本市防災計画の中に組み込まれ、行政が自治会を中心とした地域の情報ボランティアを支援・育成するという施策に反映されるようになります。

　いわば作山さんが「『民』としての地域情報ボランティアの創造」に取り組んでいるのに対して、「『官』の側面から、地域情報ボランティアの育成」を施策として制度化し、運用させるという活動を行っているといえます。
阪急淡路と淡路島洲本市。淡路という地名だけに偶然共通点があるだけの離れた地域同士で、まったく反対の切り口から同じものを育てようというふたつの活動は、互いにリンクしあって相互に影響を与え合いながら、具体的な活動につないでいます。これらは大震災直後から活躍した、多くの情報ボランティアの仲間が、それぞれの立場で参加する、「災害と情報」を考えるＮＰＯ「インター・コミュニティ・ネットワーク(InterCnet)」の事業として展開されていることが、今後の民間による防災支援を考える中で非常に大切なところです。

　ここまでは、第４回「災害時における情報通信のあり方」共同研究会の講演で、１５分の休憩をはさんで私の講演に入りました。兵庫ニューメディア推進協議会は、いくつかの分科会に分かれていて、私の講演は「第４回地域情報化策専門部会」のためのものでした。本来なら関係ない部会である参加者の方々もある中で、多くの方々が入れ替わると思っていましたが、ほとんどの方がそのまま席について、私の話を聞いていただけることとなりました。
「講演は３Ｐや」(中身があらへん)と、常々口癖のように話していますが、パフォーマンス・プレゼンテーション・パーソナリティを売るしか、私には実績も理論もありません。当初政井さんから「ざっくばらんに」というお言葉もありましたので、ここまでの恨み辛みをおもしろおかしく語ろうと心に決めて、講演を始めようとしました。

　講演前にまず確認したのが、姫路関連の参加者がいないかどうかという点です。姫路市・姫路商工会議所・姫路ケーブルテレビというところがメンバーに入っておられるはずなのですが、お顔が見えたのは姫路メディアネットワーク(ひめネット)の田中輝美業務部長だけでした。田中部長は、播磨の危機を訴える私の良き理解者のひとりでしたので、私の正直な発言を問題視される心配はありません。まずは「ざっくばらん」の要件は、満たされたていました。

　しかし、この他にも一度、兵庫ニューメディア推進協議会の集まりに参加させて頂いたのですが、あいにく偶然が重なったのか、残念ながら上記の方々のお顔を拝見することはありませんでした。普段はきちんとご参加されているのなら結構なことですが、会費を納めて、名前だけ入っておいて、実際の研究会や勉強会に参加しておられないとすれば、「なにやっとんねん」であります。
少なくとも私がお見受けするに、機会があればどん欲に参加され、情報収集され、ネットワークを拡げられないといけない立場と意識レベルにあるのではないかと拝察しています。

　さてさて、そんなこんなでいよいよ、こたつねこによる講談「はりまインターネット研究会及び西播磨地域の情報化について」が始まりました。