一昨日、京都山城地域SNS「お茶っ人」の基盤移行に関わる公開ヒアリングに参加してきました。「お茶っ人」は、2006年11月に総務省の補助事業として、京都府宇治市を中心とした山城地域をエリアとして立ち上がった老舗の地域SNSで、過去佐用豪雨災害ではいち早く駆けつけてくれて支援を受けたり、逆に京都南部豪雨の際にはお返しとばかり支援に飛んだり、東日本大震災においては、ともに連携して被災地へのサポートを行った仲です。いわば、仲の良い兄弟姉妹のような関係でした。 そもそも今回の基盤移行は、長く総務省系の地域SNSシステムを管理してきた会社が、利用団体が減少する中で基盤の維持ができなくなったことによります。以前から間接的には相談をうけていましたが、いよいよ困難になったことで、本年初めから具体的な打ち合わせを重ねて、ベストの方策を模索してきました。 地域SNSは、積み上げられたコンテンツの維持が重要なので、基盤の継続には、①システムとデータとまるごと別に立ち上げる、②データをコンバートして別基盤で継続する、③コンテンツをダウンロードして廃止する、という3つの方法から、それぞれの運営主体が選択してもらうこととなりました。しかし、①については、open-gorottoを熟知した人材がいないことからメンテナンスが困難であり、維持管理の負担も大きいことから、関係者で議論した結果、データをコンバートして、ひょこむエンジンopenSNPに移行することを推奨することとなりました。 それを受けて、お茶っ人ではユーザーアンケートを実施し、直接意見交換を行うヒアリングを実施。突然の降って湧いた話しでもあり、また専門的な内容を多く含む問題であることもあり、どなたにもきちんとご理解頂くために、宇治にお伺いすることになりました。 同じ問題を抱える掛川地域SNS「e-じゃん掛川」では、「ただ継続するのでは意味が無く、次世代の地域情報基盤を構築するための移行でなくてはならない」という基本コンセプトで現在検討を続けておられますが、宇治でもこれと同様の流れでご説明をさせて頂きました。 ヒアリングとそれに続く運営委員会でも、どうやってお茶っ人で構築した人的ネットワークと積み上げられた地域の情報リソースを、スムーズに移行させながらも未来志向で発展させられるかという方向で議論や意見交換が進められたのではないかと思います。最終的な結論は8月末までに出されることになりますが、聖地から地域情報ネットワークの灯を消すことなく、その経験と資源を次世代につなぐために、全力でお手伝いをさせて頂きたいと思います。 |