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2015年12月03日(木) 

昨日の関西学院大学神戸三田キャンパスでの「情報化社会と人間(理工学部・総合政策学部合同)」の授業は、兵庫県警察本部生活安全部サイバー犯罪対策課から、山口勝利警部補をお招きしたゲスト講義でした。この日のテーマは「インターネットと犯罪」。テキストに書いてあることを淡々と語ることでも授業は成立しますが、デジタルネイティブな若者たちが直面するサイバー犯罪の現場のお話しを、最前線で活躍しているご本人から聴かせてもらうことは、単に刺激的な機会になるだけでなく、危機を現実として受け止めて防犯に対する意識をあげるために有効であろうと考えてのクラスでした。

「情報化社会と人間」の授業の目的は、わたしたちのの生活と社会に大きな変革をもたらしつつあるコンピュータと情報通信技術のめざましい進歩によって表出した「光」と「影」を両面から考察し、今後の情報社会のあるべき姿について理解を深めることを目的としています。まさに、サイバー犯罪は、性善説で拡大してきた便利なツールであるインターネットを、悪用して犯罪に利用する「影」の象徴でもあります。しかし、その実態はほとんど知られておらず、それが犯罪を増長する大きな要因ともなっています。

そこで山口警部補は、多様なネット犯罪の現状分析やさまざまな事例紹介をご紹介くださり、その対策としてどのような人たちがどう活動しているのかを語り、フィッシングのデモを通していかに簡単に情報が抜き取られるかを実演。それまではほとんど危機感のなかった学生たちに大きな驚きとサイバー犯罪が人ごとではない現実を理解させてくださいました。おかげさまで、「学生へのサイバー防犯意識の啓発」という目的は十分に到達できたものと思います。

講義の中ではさまざまな初めての情報がありましたが、とくにここ数年の傾向として、(防犯カメラの普及や科学捜査の進歩によって)刑法犯罪は大きく減少しているのに対して、警察へのサイバー犯罪の相談数が激増している現状に、社会の未来に背筋が寒くなる思いがしました。

これを取り締まるためには、今でも2万人近いスペシャリストが必要であるのに、実際には三桁しか活動しておらず、人材の養成が喫緊の課題であることを知りました。そのためには、ひとりでも多くの若者たちが、社会悪撲滅のために使命感を持ってこの世界に関わり、現場のスペシャリストに手ほどきを受けながら最新の情報で技術を磨いていく体制づくりが重要だと痛感しました。今回の授業を契機として、学生たちがサイバー犯罪を自分事として考え、友人・知人ひとりひとりに、危機をとき安心安全なネット利用を啓発してくれることを願ってやみません。

最後になりましたが、今回の講義をご快諾頂き、多忙な中にも関わらず、遠路神戸三田キャンパスまでお越し頂いた上に、授業の前後にも学生の質問に丁寧にご回答を下さった山口警部補にこころより御礼申し上げます。

閲覧数793 カテゴリ日記 コメント1 投稿日時2015/12/03 11:09
公開範囲外部公開
コメント(1)
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  • 2015/12/03 17:57
    犯罪の証拠画面を警察に持ち込んでも、「県警のサイバー犯罪対策課に伝えます」でした。  所轄でももう少し、レベルアップが必要ですね!
    次項有
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