一瞬「とどめさせ」と読んで恐ろしい料理だナ、と思いました。
それにしても、その渡し場のめし屋、酔った武士がご飯にどぶろくをかけて行ったのを知りながら客にそのまま出したと言うことになりますね。
どぶろくをかけたことを知らなかったら次にそういうご飯を炊けないはずですから。。。
お昼は、吉井川堤防道路沿いにあるうどん「一文字」。名刀・福岡一文字からとった店名ですが、刀工とはなんの関係もありません(笑)。ここまでにほぼ1万2千歩を踏破してきて、お腹もぺこぺこ。お店の方にお薦めをきくと「どどめせ」という鎌倉時代から伝わる郷土料理があるそうで、どんな料理か楽しみに、天ぷらうどんつきの定食でオーダーしした。 どうやら「どどめせ」は、ちらし寿司の元祖らしい。日本でお酢が作られる前の鎌倉時代末期(食酢は室町時代から)のこと。「福岡の市」の渡し場にめし屋がありました。そこでは、高瀬舟の船頭たち用に毎日炊き込みご飯を作っていました。 ある日、酒に酔った武士がそれをやっかんで、酸っぱくなったどぶろく(にごり酒)を、ご飯を炊く釜の中にひっかけて帰ったそうです。すると昼食時に、何も知らずに食べた船頭たちが、いつもと違う味に「うめえ、うめえ」と喜んで食べたのがそもそもの始まりとのこと。 それ以来、炊き込みご飯に酸っぱくなったどぶろくを打ち、独特の味をした飯をつくるようになりました。やがて、この「どぶろくめし」が名物になって、名前がなまって「どどめせ」として吉備で広く親しまれるようになりました。その後どどめせは、ご当地グルメ「備前ばら寿司」に姿を変えて伝えられてきました。 「どどめせ」は、ふつうのちらし寿司で使う椎茸・さやえんどう・かんぴょう・錦糸たまごのほかに、炊き込みご飯で使用する里芋・タケノコ・ごぼう・にんじん・鳥肉・ちくわが入っています。味付けは、ちらし寿司で使う合わせ酢のほか、日本酒と当店特製の天然だし。お米は、地元産の寿司米に最適なアケボノ米を使用しています。 素朴な味の中に独特のまろやかな風味が生きている中世ロマンの味。ごちそうさまでした。 |