ご容赦ください。 近所にも歯医者はあるのですが、ぼくの主治医は車で10分くらいかかる距離にある「H歯科医院」。決して先生が、エッチなのではなく、名字の頭文字が「H」なだけです。念押しすると、怪しく感じるかな~(笑) H先生とは、中学校からの大親友。同じクラスで彼が前から一番、ぼくが二番..すなわちチビだったところから、勉強も遊びもいたずらも、一緒に一杯楽しみました。だからいまでも彼のことを「ふくちゃん」と呼びます。 中学を卒業して、ぼくは普通科高校へ、彼は国立高専に進学し、進路は別々になりましたが近所だったこともあり、その後もずっと交流が続いていました。その後、ふくちゃんは、超器用だった手先を生かして歯科技工士に。更に勉強して歯科医となって15年くらい前に開業。以来、地元のヤブさんから乗り換えて、はっきり言って助かりました(笑)。 欠損した前歯にインプラントを入れてもらってから5年あまり。一度連れだって同窓会に行きましたが、治療の用事がなかったので、そのまましばらくご無沙汰でした。なんぼ大親友でも、歯医者にはわざわざいきたくないものです。ところが、半年前くらいから右の糸切り歯の調子が悪くなり、ほどなく「虫歯」になっていることが自覚できました。 見つかったら、早く治療すればするほど、早くて安くて楽になるのに、ついつい放置プレイになっていて、先日「このままではあかん!」と一念発起して(たいそうな~)H歯科医院に治療予約の電話を入れました。なかなか勇気がいるんです。 電話を取った受付のお嬢さんのことを、仮にA子ちゃんしましょう。しばらく呼び出し音がなり続けたあと、かけ直そうかと思ったときに、不明瞭な滑舌で「H歯科医院です」というA子ちゃんの声。ここで、少々モチベーションが下がりました。 「以前に治療していた和崎ですが、虫歯ができたので治療をお願いしたい」と告げて、診察券の番号を伝えました。すると「いつ頃がご希望ですか?」と質問。「早い方がありがたいのですが、いつ頃が空いてますか?」と訊ねると「何曜日がご希望ですか?」と返してきました。「ぼくは合わせますので、そちらの予約で空いている日を教えて」と訊くと、なんと2週間は予約の患者さんで埋まっているという。 大親友の仕事が忙しいのは嬉しいが、それなら最初から2週間はあかんと言えよ!。「そんなにほっとけないから、待ってもいいので入れられる日はありませんか」と言うと「何日がいいですか?」と返してくる。とにかくうまく表現できないけど、できそこないの人工知能と会話しているような錯覚に陥りました。 腹が立って「先生にぼくの名前を伝えて、治療して欲しいと言ってると伝えろ」と声を荒げても「先生に聞いても同じです」と応える。筋金入りのコミュニケーション能力が不足している人工知能です。 「いまから行く!」と言って電話を切り、医院で通常通り受け付けをして、1時間は覚悟して待ち合いでPCを開くと、なんとびっくりぽん、「わさきさ~ん♪」とすぐに看護師が呼んでくれた。ふくちゃんが融通を利かせてねじ込んでくれたのは、診療室の患者の数でよくわかりました。無理いってごめんね。でも、嬉しかったよ。しかし、A子はちゃんと鍛えなあかんで。 |