《大阪は隈なく知っている》と自認する僕ですが、この建物は知らなかったなぁ。あまりにも小さなビルだから、目に止まらなかったのでしょう。
この店は行ってみたくなりますね。と言うより、今度大阪へ出ることがあったら、ぜひ行ってみましょう。 (^_^)
北船場バルの一軒目に選んだお店は、「アンティカ オステリア ダル ポンピエーレ」。まるでおまじないのようなこのお店の名前の由来は、「ANTICA OSTERIA」は古い食堂、「Dal POMPIERE」が消防士というイタリア語。つまり、「消防士たちの古い食堂」という意味です。 もともとこの建物は、1925年に建築された旧大阪中央消防署今橋出張所のビル。街路に北面して建つ間口6mのRC造3階建です。外壁はタイル貼で、1階はもと消防車庫、2階と3階の窓は大きくチューダーアーチ形で枠取り、消防士の詰め所や司令室があった2階にはバルコニーが付いています。小規模ながらとても意欲的な意匠で、登録有形文化財となっています。 今世紀になって、大阪市の遊休資産売却政策に伴い、この由緒ある情緒的な建物も競売に出されて、民間人の所有物件となりました。近隣だけでなく多くの人たちが、優れた文化遺産が失われると諦めかけていたところ、オーナーが原形を留めたまま改装して用途変更を行うリノベーションを展開。2005年に、2F・3Fが個室、1Fに厨房とスタンディングスタイルのカウンターを備えたイタリアンレストランを開業しました。素晴らしい人ですね。 落ち着いたレトロな雰囲気の中で、本格イタリアンと美味しいワインが堪能できると評判のお店。カウンターでワインとピンチョスを半券1枚で頂きましたが、厨房との距離感も近く、店員さんたちも気さくでフレンドリーなので、バルをきっかけにリピートしたいと感じさせてくれるお店でした。 |