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2007年10月26日(金) 

明治生まれの母から聞いた話だが、昔の大阪には「上燗屋」(じょうかんや)という商売があったそうな。

今で言えば居酒屋のようなものだが、ちょっと違うのは、美味しい酒を飲ますこととアテがかんとだきに特化していたことだ。


「上燗屋」の上燗というのは、上々の燗つまりちょうど飲みごろの温度に燗をした酒という意味で、温度にすると45℃前後になる。しかしこの言葉を知る人は、今の大人の日本人でも1割もいないだろう。呑み屋で《酒をくれ》と言ったら鸚鵡返しに《熱燗ですか》と聞いてくるのが普通だ。《いいや、上燗にして》と言いたいところだが、燗イコール熱燗だと思っている店員には通じない。いや店員ばかりではない、店主でも板場でもこの言葉を知る人は希少だろう。そこで《あんまり熱うせんといて》と言うことにしている。


今日はかんとだきにしようと昨日から決めていたから、奮発してコロを買ってきた。コロを食べるのは何年ぶりだろう。高くて手が出なかったからだが、今日買ってきたのも僅か60gで780円もした。100gにすると1,300円にもなるが、たまにはこんな贅沢もいいだろう。


大阪風の、よく味のしみ込んだかんとだき上燗の酒、絶妙の取り合わせだ。娘の帰りが遅いので一人で静かに味わった。牧水の歌ではないが、秋の夜の酒は独り静かに飲むのがいちばんだ。


 


閲覧数3,363 カテゴリ日記 コメント12 投稿日時2007/10/26 22:51
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コメント(12)
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  • 2007/10/27 12:05
    鉛筆jamjamさん
    aoitoriさん、そちらでは食べませんか?

    鯨の皮の脂を絞ったあとをコロといいます。
    昔は乾燥したものでしたが、今は生で冷凍したものが売られています。脂も絞ってないでしょう。
    よく絞ったものはシャリシャリとして美味しいものです。大阪の関東炊きには欠かせないものでした。

    薄くスライスしたものは皮鯨、さらし鯨などと呼んで、冷やして酢味噌で食べます。夏にはよく食べたものです。
    次項有
  • 2007/10/27 12:29
    aoitoriさん
    jamjama様、ありがとうございます。
    コロ、へ~ 皮鯨、さらし鯨ですか。
    最近はとんと口にしません。
    こちら姫路のカントダキでは必需品ではなかったみたいです。

    親がもっぱら酢味噌で、だったように思います。
    でも、数十年来食卓に上りませんし 口にしてませんよ。

    上燗という言葉の正しい意味も知りました。
    いろいろ勉強になります、ほんとに。

    次項有
  • 2007/10/27 18:55
    鉛筆jamjamさん
    aoitoriさん、コロは皮鯨やさらし鯨と同じ鯨の皮ですが、
    1センチほどの厚切りになっていて、晒してないので黄色みを帯びています。
    次項有
  • 2007/10/27 19:11
    オメメさん
    人肌、とかぬる燗なんていうのもありましたね。
    かんとうだきとjamjamさんは描いておられましたが、これはもしかしたら関東炊きではなく、広東炊きからだとご存じだからではありませんか。確か、
    「たこうめ」で始めた様なことを聞きました。
    中国の広東には煮卵や大根の煮た広東鍋のようなものがあり、そこからの様でした。
    オデンとは別ル-トの語源のようです
    次項有
  • 2007/10/27 19:43
    鉛筆jamjamさん
    >関東炊きではなく、広東炊きからだと・・・
    これは寡聞にして初耳です。

    「たこうめ」が始めたかどうかは知りませんが、この店の看板料理であることは確かですね。

    「おでん」の名前は「田楽」から来ていると思いますが、田楽は串に刺した大根や豆腐、こんにゃくなどを湯で温めて、味噌をつけて食べたものですから、それを(京・大阪から見れば)関東風に醤油味で煮たところから「関東だき」になったものだと思っていました。
    次項有
  • 2007/10/28 10:09
    こなさん
    燗酒ですか~。遅ればせながら話に入らせてもらいます。
    最近の私の「研究テーマ」は、
    熱燗がおいしい「本醸造」選びです。
    八重垣(姫路市)の本醸造は熱燗としては最高ですよ~。
    現在は但馬のお酒を研究中です。

    それと、ぬる燗でいける「純米吟醸」も研究中です。
    次項有
  • 2007/10/28 10:42
    鉛筆jamjamさん
    こなさん、博士論文にまとめてください。 (笑)

    「熱燗」は45℃~50℃の温度をいうそうですが、徳利が持てないような、舌が火傷するようなものを持ってくる店がときどきあります。ヒレ酒にするのなら別ですが、こんな店では二度と飲みたいとは思いませんね。
    次項有
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