宇治上神社のあとは興聖寺へ、そして宇治川を渡って平等院へ歩きました。
宇治川のほとりへ出て上流に向かって歩いていくと、宇治発電所から流れてくる水路に架かる橋を渡ります。 この日は猛暑で電力使用量が多かったと見えて、発電所は5台ある発電機がフル稼働しているようで、すごい水量でした。これを見た娘は《怖い!》と言っていました。
橋を渡って少し行くと、左手に柱と梁が石で出来た珍しい門が立っています。興聖寺の総門です。 門をくぐると岩の上に石造りの五重塔が立っていて、「琴坂」と名付けられた長い坂道が続きます。
坂を登りきると、正面に山門が建っています。 小さいけれど非常に美しい門ですが、生憎この日は修復工事中で、足場などが設けられていました。(写真は一昨年の6月に撮ったもの)
興聖寺(こうしょうじ)は山号を佛徳山と言い、関西には比較的少ない曹洞宗のお寺です。 山門を入ると、向って右手に鐘楼がありますが、周りは枯山水の庭園になっています。(左の写真) この寺には、回廊の内側(中央の写真)と大書院の前(右の写真)にも庭がありますが、どの庭も石が多用されています。
伽藍内を反時計回りに拝観させてもらい、最後に入ったのが「僧堂」です。 ここは僧たちが座禅を行う場所のようで、縁台のようになったところに円い座布団が置かれ、背後の壁に名札が掛けてありました。 こんなところに入ったのは初めてなので、ここまで来た甲斐がありました。
興聖寺をあとにして元来た道を戻り、宇治川の対岸にある平等院へ向かいました。 平等院は予想どおり観光客が多くて、中国語が飛び交っていました。 鳳凰堂内の拝観は別に300円の拝観料が必要で、しかも時間指定になっているので、池の手前から拝むことにしました。 池の周りには蓮の鉢植えがいくつか置いてあるので、鳳凰堂を背景に写真を撮ろうとしましたが、人通りが多くて結局は無理でした。
このあと「鳳翔館」という博物館に入りましたが、見応えのある展示内容でした。
満員の博物館から出てきて「浄土院」という塔頭の前を通ったら、開け放った障子の際に厨子に入った可愛らしい仏像が置いてありました。「救世船乗観音」というもので、旅の安全を願う人々の信仰対象になった観音さんだそうです。
黄檗山萬福寺から始まったこの日の寺社巡りは、これで終了しました。猛暑の中の行軍でしたが、いい汗をかいて心身ともスッキリとした気分になりました。 |