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2016年08月10日(水) 
木曜日からスイス東北部の村に行っていました。

目下、会社が夏休み中なので休暇で出かけたのですが、毎年この時期、スイスの国境を越えて30分ほどのオーストリアの村でウィーン・シンフォニカのコンサートがあるので、それを聴きに行くためにも、このスイス側のアッペンツェルという村に滞在します。

今回面白かったのは、スイスでのオリンピック放送でした。

私はオリンピックをかなり冷ややかに見ており、しかも今回は危機の真っただ中にある貧乏国ブラジルで、というので、なんでまたこんな時に分不相応なお祭り騒ぎを、と苦々しくさえ思っていました

金曜日の夜ホテルでテレビをつけると、ドイツの放送局では「もうすぐ開会式です」と報道していましたが、どうやらその中継は真夜中になりそうなので、もともと興味が薄かったことからサッサと寝てしまいました。

日本とブラジルのリオとの時差は12時間だそうで、帰宅したら友人からのメールに「土曜日の朝8時から実況中継を見た」とあったので、あ、半日違いか、これなら分かりやすいな、と思ったのですが、ドイツなど欧州国とリオとの時差は5時間。夜8時からの開会式はスイスでは翌日午前1時からになるわけです。

日曜日の朝、コンサートに行く支度をしながらテレビをつけて、スイス放送(SRF)を見ると、水泳の中継でなんと日本が1位と3位になってる。これにはもうびっくりで、誰よ、このハギノとかいう人、というのが私の反応でした。

だって、こちらでは日本のメダル候補の名前など聞いたことがないんですもの。

スイスではドイツとオーストリアの放送局はほとんど見られて、ドイツの国営放送でもユーロ放送でもオリンピックの報道はもちろんありましたが、私がSRFを好んだのは、報道する種目が全く偏っていないからです。

どういうことかというと、ドイツ放送では当然ドイツ選手が出場してメダルを取る可能性のあるスポーツに集中する。日本だって、出場選手がいないホッケーやヨットなんか放送しないでしょ。

私は2004年のアテネ・オリンピックの開催時、たまたま親戚の結婚式に招待されて1週間ほど英国にいたけど、その間テレビはずっとイギリス人が活躍しそうなスポーツばかり。

ところがスイス放送は万遍なく何でも報道する。

なぜかというと。スイスが参加してメダルをとれそうなスポーツ種目は、こと夏季オリンピックに関しては極めて限られているので、スイス人が参加するものだけを放送していたら、番組が成り立たなくなる。

だから公平に何でも放送してくれるのです。

開催直前までテレビも新聞もオリンピックに対してそっけない態度だったけど、始まったらきちんと律儀に報道してくれました。

おかげで日本の体操男子も見逃さずに済みました。

同じ時間にドイツ放送を見てみたら、砂だらけでビキニの女たちが飛びまわるビーチバレーなんかやってて、興味ゼロどころか、えらく汚らしくて慎みのないスポーツやなあ、とすぐチャンネルを切り替えたくらい。

男子体操は最初中国、ロシア、英国などのパフォーマンスを放送していて、下の方の順位を見るとロシアが1位で中国が2位になっていた。

あれ、日本は?と思いつつ、これは、まだ日本選手が登場してないのでロシアなんかが上位なのだろうと解釈。

ところがそのあとで日本が出てくると、あらまあ4位だって。だけどこれもあんまり意外とは思わず、ま、出だしがちょっとつまづいたからだろう、などと、またまた楽観的。

後で聞くと、日本チームは最初失敗が続いてかなり重苦しい雰囲気の中での競技だったとか。

そんなこととはつゆ知らず、私はなぜか勝手に「そのうち一位になるさ」と確信していたのですが、この勘違いが実は大当たりでした。

これはSRFの報道ぶりがかなり冷静かつ客観的だったので、日本の不利が気にならなかったためだろうと思われます。SRFとしては、どこが勝ってもスイスには関係ないですもん。

そして一位になった日本の競技は、この局の再放送でかなり細かく見られました。

開催前にスイスの新聞に、過去10回くらいの夏季オリンピックでの同国のメダル数が出ていましたが、金メダルは最多数で4個、全くとれなくて銀と銅でお茶を濁した大会もあったようです。

だけどスイスはそのことをあまり気にしていません。だって冬季があるから。

冬季オリンピックとなると、小国スイスとオーストリアは大したものです。人口に対するメダル数では多分上位3位に入るはず。(冬に強いのは他にスウェーデンとノルウェーがある。)

そういえばオーストリア放送も見られたけど、報道ぶりはスイス放送と似ていました。メダル一つでも、取れたらラッキーくらいに思っているらしい。

ドイツは今までのところ、水泳でも体操でも、卓球やビーチナンタラでも全然さえないのですが、そのうち乗馬やボート漕ぎでいい成績を取るでしょう。

日本は得意の種目が最初に来たので、これから尻すぼみにならなければいいけど。

写真はホテルからの景色です。

最初のは部屋の窓から見た赤い列車。これはzosanのブログにも出てきましたが、私は怠け者なので写真撮影に出かけることはせず、見えたら撮るという横着な態度です。

このホテルの下の方に駅があって、山の方にあるその前の駅が出発駅。なぜこんなところに鉄道が、というzosanのご質問ですが、出発駅(終着駅)のそばに、1600メートルちょっとのエーベンアルプという山に登るためのロープウェイの駅があり、もちろん登山口でもあるので、結構観光客がやってきるのですよ。

二枚目の写真は鉄道とは反対側の、牧場の景色です。最後の干し草作りに励んでいて、スイス人って本当に働きもの。

上空にクラゲのように浮かんでいるパラグライダーは、エーベンアルプの山頂から飛んで来ます。

三枚目はアッペンツェルのお祭りの屋台でお菓子を売っていた女性。凄い美人なので、断って撮らせてもらいました。着ているのはこの地方の伝統的な衣装です。

閲覧数1,017 カテゴリ日記 コメント15 投稿日時2016/08/10 06:35
公開範囲外部公開
コメント(15)
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  • 2016/08/10 16:24
    鉛筆ベッガさん
    > ろれちゃんさん
    雄大な景色と、ハイジの物語に出てくるような懐かしい風景が混在しています。

    スイス人って、ドイツ人と親戚みたいなものなのですが、髪も目も黒くてイタリア人の血かな、と思う人達が結構います。でも体格はやっぱりイタリア人よりドイツ人に近い。

    女性も身長180センチ以上の人をよく見かけます。美人は多いですが、オーストリア人と違っておしゃれにはあまり関心がないらしい。みんな極めて自然で素朴です。それだけに、お祭りの衣装なんか着て出てくると、おおっ!って感じ。
    次項有
  • 2016/08/10 10:32
    スイスの風景、すてきですね。スイス美人もこれまた結構。

    日本ではオリンピック、甲子園、プロ野球・・・・一日中スポーツ放送ばかりです。(息子がいるせいですが)
    くだらないバラエティ番組よりはずっといいですけどね。

    ある柔道選手が銅メダルを取ったときのインタビューで
    「銅で申し訳ない」みたいな発言をしていました。
    相手だって金メダル候補者だったのに敗者復活で彼と対戦したのです。立派なことだと思いますが、柔道界は何が何でも「金をとれ」と指導しているのでしょうか。めざすのは「金」でも結果として「銅」がもらえたのだから胸を張って日本に帰ってきてほしいです。
    「日本のお家芸」といいつつ国際大会の柔道は「JYUDO」別物です。
    真っ青な柔道着ってやっぱりヘン。
    海外の選手が強くなったのはいい指導者がいるからでしょう。
    体育の授業で柔道か剣道が必修になったからってオリンピックを目指す子供が増えるとは思えません。

    マイナースポーツのカヌーで銅メダルを取った選手がすがすがしかったです。

    しかしどうしてこんなにお金がかかるのかしら。
    息子たちがスポーツ選手じゃなくてよかった。
    次項有
  • 2016/08/10 16:37
    鉛筆ベッガさん
    > くちべにがいさん
    柔道といえば、クロアチア人の女性が金メダルをとって、これはスイスの新聞でも大きく取り上げられました。日本でも特に朝日系などがこれを美談に仕上げている様子ですが、スイスがクロアチアに関心を示すのは、この国にクロアチア、アルバニア、コソボなどからに移民が非常に多いためです。

    クロアチアの英雄になった女性に対しては、ドーピング検査を拒否したという非難が巻き起こっていますが、クロアチアの独立を認めない陣営からの政治的陰謀があるのかもしれません。

    ロシア、セルビア、スペイン、中国等々、同国の独立に反対している国は80か国を超えます。

    クロアチアのセルビアからの独立を認めると、バスクのスペインからの独立も、チベットの中国からの独立も認めねばならない。

    EU自体が「統合」推進派なので、「分離」には渋い顔です。

    なお、この柔道選手、名前と風貌からたぶんイスラム教徒だと思うのですが、だとすると、イスラム教徒でメダリスト、しかも女性という極めて珍しいケースですね。

    写真はアッペンツエルの町で見かけた(珍しくモダンな造りの)建物の壁に作られていた鳥の巣です。可愛いでしょう。
    次項有
  • 2016/08/11 20:06
    > ベッガさん

     国旗を掲揚し国歌を流す…そんな表彰式のシーンを目にする度に抵抗を感じます。メダルは選手個人の栄誉を称えるものであって、国家は関係ないと思うからです。でも、分裂しているウクライナのために、恵まれない練習環境にもめげずに頑張っている体操のオレグ・ベルニャエフ選手の祖国愛には感動します。
    次項有
  • 2016/08/11 20:54
    鉛筆ベッガさん
    > 南富士の寅次郎さん
    以前、友達と、国家の代わりに自分の好きな曲を流してもらう、っていうのはどう?などと話したことがあります。

    「ヘイ・ジュード」とか「昴」とか、女性の場合ならモーツァルトの「恋とはこんなものかしら」とか・・?バタフライの金メダリストが「もう飛ぶまいぞ、この蝶々」を選んだら、大爆笑になると思うけど。

    でも個人に栄誉を与えるということで国旗の掲揚もなくなったら、中国やロシアの選手育成のモーチベーションは激減するでしょうね。国からおカネもらえなくなったら、選手やめる人が続出したり。

    アメリカは巨大な私的スポンサーが待ち構えているから、依然としてトップクラスの選手を輩出するでしょうけれど。
    次項有
  • 2016/08/10 10:45
    zosanさん
    写真拝見して、次回は Appenzell 周辺に行こうと言う気になりました。
    次項有
  • 2016/08/10 16:45
    鉛筆ベッガさん
    > zosanさん
    シュヴェンデ付近にはお勧めのホテルが3つほどあります。スイス・フランが高いので、近年宿泊客はほとんどスイス人ばかりですが、日本円とスイス・フランの為替レートはあまり変わってないのでは。

    鉄道のみでなく、ロープウェイやケーブルカーにも関心がおありなら、是非この村の周辺の山々に登ってごらんになって下さい。

    エーベンアルプのほか、ゼンティス、ホーェカステンなどから素晴らしい景色が一望できます。

    写真はホーエカステンのロープウェイです。
    次項有
  • 2016/08/11 12:09
    zosanさん
    > ベッガさん
    有難うございます、山の上にもぜひ行ってみたいと思います。

    CHFは10年前初めて行った時109円でした。面白かったのはホテルで変えると、日本と同じく109円、両替商で変えると同じ109円だったのですがこれに手数料が加わりました。普通はどこでもホテルで変えると割高なのですが逆でした。
    今回は日本で変えて120円、当時より1割高でした。
    次項有
  • 2016/08/10 16:51
    お写真を拝見するだけでも涼しい感じがします。
    次項有
  • 2016/08/10 17:55
    鉛筆ベッガさん
    > フロッピーさん
    ほんとに涼しいんですよ、カンカン照りだと28度くらいですが、湿気がないので木陰などはカーディガンを羽織るほどです。

    ジイサン・バアサンも働きものですが、年齢を考えてさすがに真昼は避け、夕方5時から8時頃まで草刈りしています。日没は早くなったといっても、まだ9時近くですから。
    次項有
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