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2017年01月07日(土) 
 2017年酉年が始まった。前回の2005年は大文字山が白大文字になっていたことをメルマガに書いているが、今年の京都は青空が広がり、暖かな正月だった。あれから12年、大家さんと隣のやまむらさんと三人の同居生活は変わらず続いている。仕事も、大阪の方の仕事は辞めたが、外国人学生に日本語・日本文化を教える仕事は、変わらず続いている。有難いことだ。

 12年前の年頭メルマガでは、正月の注連飾りや門松、晴れ着の着物を着た人々など、子供の頃と比べて正月が365分の1、普通の日になってしまったことを書いていた。不思議なことに、まったく同じことを今年も考えていたが、ふとこんなことを思った。生活習慣はずいぶん変わってしまったが、お正月に初詣に行くというのは、全然変わっていないのではないか。いや、神社の混雑ぶりなどは、今の方がひどいかもしれない。先の見えない不安な世の中だからこそ、人々は心の平安を求めるのだろうか。

 変わったと言えば、この12年で逝ってしまった友達も多い。当時のメルマガには、こんなことを書いていた。

友人のROM君の店は、私にとっては中央市場だ。いつも新鮮なネタが豊富にある。といっても魚屋ではない。「表向き」は美術道具のお店で、店内には、器、美術品、絵画、家具…など、面白いものが一杯並んでいる。しかし、この店のすごいところは、頼めば「なんでも」できるネットワークの広さだ。

 今朝、久しぶりに車でROM君の店近くを通った。お休みだったが、外観はまったく変わっていない。ただROM君がいないだけというのが淋しい。今年の10月3日で、もう5年になる。生前ROM君が頻繁に書き込みしていた「ひょこむ まにまに日記 #2」は、今でも残っている。その最後は、「両足が痛くて、いつものPCのところまで行けません。時々皆さんのブログを読ませてもらっています。…ありがとう。」〈2012年09月28日(金)〉その最後のメッセージにいろんな人が今でも時々コメントを書き込んでくれている。もちろんROM君からの返信はないが、きっとあちらの世界で読んでくれていると思う。

 その前の酉年、1993年は韓国の大学で教えていた。当時の学生たちも皆、いい中年のおっちゃん、おばちゃんになっているだろう。ネットもパソコンもない時代、1m以上はある巨大なパラボラアンテナを設置して、NHK-BSの漏れてくる電波をキャッチして見るのが楽しみな気楽な独身生活だった。いや、お気楽なのは、今でも変わっていないか。
             
 その前の前、1981年は大学5年目、就職も決まらずさらに留年することを考えていた。それなのに、落とすつもりで出した体育理論のレポート、「ゆく川の流れは絶えずして、しかも元の水にあらず。…」と『方丈記』を丸写ししたら、何と60点も付いてしまって、経済学部卒業と相成ってしまった。まったく何の当てもなく、大学を放り出されてしまった。その因果か、今では古典を研究し、留学生や社会人講座で教えている。人生は不可解である。とは言っても華厳の滝に飛び込む程でもない。だからこそ面白いのだ。

 その前の前の前、1969年当時の流行語は「あっと驚くタメゴロー」、「オーモーレツ!」など、あのテレビアニメ『サザエさん』放送開始もこの年だ。アポロ11号の月面着陸もテレビで見た。一方、1月の東京大学安田講堂事件の前後から、大学紛争は全国に拡大し、過激化、長期化したのもこの年だ。高度経済成長もピークを迎え、翌年の大阪万博をひかえ、街は大きく変貌していた。それと同時に、工場からは排気ガスや汚水がどんどん放出され、空も海も川も汚染され、公害が深刻な社会問題となっていた。いろんな矛盾が一挙に放出された、あの頃と比べると、今は空も川も海もずいぶん綺麗になったし、大学も静かで綺麗になった。

 その前の前の前の前、1957年の正月は母のお腹の中で「明けましておめでとう」を聞いていたのだろう。もしかしたら、暮れの紅白歌合戦も聞いていたかなと、1956年の第7回NHK紅白歌合戦を調べたら、三人娘と呼ばれた当時のアイドル、美空ひばり・江利チエミ・雪村いづみのうち、ひばりだけが出ていない。なぜなら、ひばりは紅白に対抗してラジオ東京テレビ(現TBS)が同じ放送枠に真っ向からぶつけた『オールスター歌合戦』に出ていたからだ。今でも美空ひばりが大好きな大家さんだから、お腹の中で聞いていたのはこちらかもしれない。

 「盥(たらい)から 盥に移る ちんぷんかん」

 小林一茶(こばやし・いっさ:1763~1827)が言うように、人の一生なんてあっと言う間で不可解なものなんだろう。だからこそ、少しでも楽しんでいきたいと思う。皆さまにも今年も良い出会いを!

閲覧数105 カテゴリ日記 投稿日時2017/01/07 13:55
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