沖縄からやってきた北海道と神奈川出身の「地域づくり応援員」のおふたりを相手に、かの有名な「神戸牛」は存在しないというお話しをしました。だれもがびっくりするかと思いますが、日本を代表する牛肉のブランドである「神戸牛」という銘柄は、正しくは存在していません。 最高級牛肉として認知されている「神戸牛」の正式なブランド名は、「神戸ビーフ」もしくは「神戸肉」。でも、神戸で育った牛からとれる肉を全て「神戸ビーフ」と呼ぶわけでもありません。「神戸ビーフ」には、生産者・食肉流通業界・消費者の協力で設立された「神戸肉流通推進協議会」があって、ここが定める厳しい定義をクリアしたものだけに、最高級牛肉「神戸ビーフ」の称号が与えられているんです。 いまを遡ること150年前、慶応3年(1867年)の神戸港の開港の際に、外国人が入国してきました。当時の日本人には、牛肉を食べるという習慣がなくて、神戸駐留の外国人は自分たちで牛を解体して食べました。 このとき、たまたま農耕用として飼育されていた但馬牛を口にして、その美味しさの虜になったそうです。やがて、神戸の美味しい牛肉は、海外に「神戸ビーフ」として紹介されるようになり、国際的なブランドとして定着していきました。 この「神戸ビーフ」も、当初は明確な定義がなくて、類似品や粗悪品が出回り、ブランドの質が落ちてしまうので、昭和58年に協議会を設立して、名実ともに世界一の牛肉にするために、「神戸ビーフ」の定義が定められました。 「神戸ビーフ」と呼べるのは、兵庫県産(但馬牛)のうち、未経産牛・去勢牛で、肉質等級が脂肪交雑のBMS値No.6以上、歩留等級がA・B等級、枝肉重量が450kg以下のものだけ。全国各地に散らばった但馬牛の子孫となる仔牛が、兵庫県内に移されて肥育され、その中でも特に上質・良質のものだけが「神戸ビーフ」となるのです。 まただれか遠くから観光に来られたら、この話しで盛り上がりたいと思います♪ |