ふふっ メシネタは面白い。
で、おでん。
これ、定番の炎上ネタですぜw
東京人が考えるおでんと
大阪人が考えるおでん、どっちが正解かで論戦になる。
そこに、台湾人が横やり入れるww
少し前にネットで「ドイツでおでんを作ってみましたーメシ通」というブログを読んだ。ちょっと古くて2016年2月の書き込みだから、現在はドイツ在住2年半余りになる溝口シュテルツ真帆さんという若い(多分30歳過ぎ)女性からの情報発信。 この溝口シュテルツさんにはドイツ人のご主人との「フードファイト」シリーズがあって、これが抱腹絶倒のおもしろさ、フードのみならず日常生活全般における日本人とドイツ人とのずれがユーモラスに綴られている。 私自身の苦難(?)の体験と重なる部分が多く、それをこんな風に楽しいエッセイにしておられる(元は出版社にお勤めだったらしい)のを見るにつけても、若いっていいなあ、としみじみ思う。 現在のお住まいが南ドイツのミュンヘンというのも、私が親近感を寄せる理由の一つである。 この方のブログその他は別途読んでいただくとして、おでんの話は既に見ていたはずなのに今回特に注目したのは、献立の種類がちょっと頭うちになり、何か和風でいいお惣菜はないか、と少しばかり頭を悩ませていたせいだ。 筑前煮も考えたが、こんにゃくがないし、ゴボウは似た野菜があるのだけれど、これは土付きのまま売っていて、皮を剥くと手がものすごく痒くなるし(こちらの人は手袋を使うらしい)、でペケ。 おでんは以前から考えないでもなかったが、どうもネガティブ・シンキング気味の私は、でもコンニャクも厚揚げも練り物もないんじゃ(ちくわぶなるものはもともと使ったことがない)、ムリムリと諦めていた。 ドイツでどうやっておでんを?とちゃんと読んでみて、あれ、結構代用品があるんだ、と分かり、またまたお若い方のアイデアに感心した。 私の一番好きなコンニャクは諦めるとして(それに、これは夫にはちょっとハードルが高そうだし)、まず、卵、大根は問題なし。もちろんジャガイモも。 練り物の代わりにソーセージを使うというのは、さすがミュンヘンの住人だ。ここから出汁も結構出るらしい。 ドイツにある太ネギは、くせがなく柔らかいので私もよく使う。彩りを考えて人参も。 面白いのはコールラビ。文字通り訳して日本では蕪甘欖ともいうそうで、その訳語通りに蕪とキャベツの中間のような味だ。ドイツではこれをコンソメで煮て肉などのつけ合わせにする。おでんに応用か、なるほど。 出汁は昆布からとあって、これもOK。だいぶ前に料理にマメな友人が送ってくれた利尻昆布とかいうのが多すぎてちょっと困っていたので、使い道ができてよかった。 真帆さんはドイツの硬水では出汁が出にくいので長目に、と書いておられるが、私の場合は硬度が低いのか昆布が上等なのか、すぐ出汁が出た。 昆布はまず布巾で表面の白い粉を拭き取って水にいれ、徐々に熱して沸騰する前に昆布を取りだす、と習ったような気がするが、そんな細かいことは若い方には面倒らしく触れていない。 それに真帆さんは、日本では料理は月に一度程度だったというから(私も似たようなものだったけど)、そんな細部にはこだわらないようだ。 だけど歳とって時間もあり、その昔家庭科で習ったことも一応は覚えている私が、今時の若い女性風というのも憚られたので、ちゃんと正統的に出汁をとった。 あとは野菜を下茹でして少し灰汁抜きしてから、沸き立った味付け出し汁にいれ、半時間近くコトコト煮るだけ。 味が染みるように翌日の昼食に出した。その分味は薄めにしていたが、果たしてジャガイモに十分味がついてない、と文句を言われた。これは煮崩れせぬよう大きく切りすぎたためだろう。 あとは全部大丈夫。ゆで卵を煮る、というのが奇怪至極だったらしいが、食べてみて、うん、いける、と言った。 最初に、深めの皿に盛って出したとき箸を添えたら(私よりも上手に使える)、ナイフとフォークをくれという。箸で食べられるというと、「どうやって切るんだ!」と人参を指すので、「食べてみてよ、箸で切れるくらい柔らかいから」と言ったら箸でつまんで口にいれて、「チェッ!その通りだ」と忌々し気で、結局ナイフは不要だった。 というわけでかなりの成功。夫は今ダイエット中なので、野菜を主とした料理なのも気に入ったようだ。ソ―セージも、普段は好きでない人なのに「モンダイナイデス」と言っていたから、次回は白ソ―セージも加えてみよう。 これ、土鍋にいっぱい煮て、私は三度、夫は二度食べるくらいの量だったので、和食の日々となったわけです。 しかし「日々」と複数形にしたのは、もう一つ、こちらはおやつなんだけど、私が「ドイツでどら焼き」に挑戦してうまくいったためでもある。 先月フライブルクのアジア・ショップに日本の食料品を買いに行ったとき、どら焼きがあったので喜んで買って来た。袋入り6個というのが何となく雑で一抹の不安もあったが、果たしてその危惧通り、かなりいい加減な味だった。 皮はパンケーキ風で、それはまあ良いとして、卵などを節約するために膨らし粉(ベーキングパウダー)をいれて嵩増ししているらしく、重曹の匂いがする。餡は量が十分でなく、こんな味つけなら材料費も微々たるものだろうになんで量をケチるんだ、とその点にケチをつけたくなった。 昨日、おやつをどうしようかな、と考えて、友達が三月に送ってくれて「とっておき」にしていた小布施堂の缶入り栗鹿の子を取りだしたら、おお、いくつもの栗がねっとりとした栗餡に覆われている! この餡を使わぬ手はないと、それで栗餡どら焼きを作ることにした。卵と牛乳をたっぷり入れた小さなパンケーキを焼き、栗の実を崩して餡に混ぜ「つぶ栗餡」にしてパンケーキに挟んで出来上がり。 おいしい!アジア・ショップのしみったれたどら焼きとは大違い。 今日もまた作ろうっと。 というわけで和食の日々なのであります。 写真1.はコールラビ。 写真2.は来週の復活祭のための飾りつけの一つ。通常は木の枝に卵を吊るすのだが、今年は一月にインスブルックの市場で買った木製のカラフルな小鳥をメインに。卵も一応はあるし、金色の兎も置きました。 |