毎月第二土曜の午後にカブキのタンゴ講座を開いて二年になる。先日は三大難曲と言われる内のひとつ、ノスタルヒアス(Nostalgias)の仕上げを行った。 「作曲当時は音楽的に難しいと言われたけれど、現代のひとにとってこの点は難しくないと思う。 感情の起伏表現が激しく複雑なのは依然難しいだろう」と歌い廻しのヒント資料を配った。 「何か難しく感じるところは?」と訊いたところ、ひとりのメンバーから「このunの部分、譜面どうり音階を上げるのが難しいのだが」と質問があった。 カブキは「始めに渡した資料に書いているけど不定冠詞のun, unaは強勢語だ。特別な思いが籠められる場合に使われる したがって、para apagar un loco amorはpa-ra=-pa-ga-run-lo-co-a-morのrunの音節にはアクセントがある アクセントとは際立たせることであって、強く発声するほかに音程を上げるのも方法のひとつだよ」と説明した。 質問者は「よくわかった、開講した頃に習ったので忘れていた。身についてないのだね」と笑った。 曲と歌詞は密接な関係にあるので、原詞で歌うべきだということをあらためて皆で認識した次第であった。 |