白み始めた空がどんどん明るくなって、全体的に青みを帯びてきます。午前4時半、日の出まであと20分くらいの時間に、長靴、作業服、麦わら帽子に手袋をした還暦のおじさんが、毎朝自転車で畑にでかける。 地域SNS「ひょこむ」の仲間が耕作している「ひょこむ農園」では、100坪の畑全体の半分くらいに、さまざまな夏野菜が植え付けられている。「かぼちゃ」「じゃがいも」「キャベツ」「トマト」のように、ほとんど水入らずのものもあるが、「キュウリ」「スイカ」「ナスビ」「ウリ」「サニーレタス」という野菜は、水を切らすと生きてはいけない。 おじさんの一日は、この野菜たちに農園の井戸水による撒水をしてあげること。この毎日の日課のおかげで、小さな苗は少しずつ確実に生長している。なかにはナスビのように、はやくも結実して食卓で試食されたものもある。日に日に大きくなる野菜たち。本格的な収穫まで、欠かしてはならない大切な使命だ。 |