「“値上げ相次ぐ”って、ホントに悪いこと?」
今日のニュースで、 10月1日から値上げラッシュと報じられています。 ただこれは、 ホントに悪いことなのでしょうか?
例えば、NHKのニュースを見るとこんな内容です。
「『食品や外食で値上げ相次ぐ 原材料の値上がりや人手不足で』 原材料価格の値上がりや人手不足による人件費の上昇などを受けて、今月から、食用油やかつお節など暮らしに身近な食品のほか、外食産業で値上げの動きが相次ぎます。」
「食用油」は、 原料の菜種の価格が不作で値上がりしたことや国内の物流コストの上昇が主な要因。 「かつお節」は、 海外でカツオの需要が伸びていることに加え、国内の主な産地の不漁でかつおの取引価格が値上がりしているのが要因。 「のり」は、 生育不良などよる原料価格の上昇。 「外食産業」は、 人手不足による人件費の上昇などが理由。 宅配最大手の「ヤマト運輸」は、 ネット通販などの荷物の拡大による人手不足に対応するため。
【NHKニュース】 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171001/k100111634…-items_002
原材料価格の値上がりは、不作・不漁や円安が原因でしょう。 人手不足による人件費の上昇は、長期の好景気に対して人件費が据え置かれ続けてきたことが原因でしょう。
政府、日銀は、デフレ経済克服のため、インフレターゲット2%を目標に掲げて長らく取り組んできましたが、なかなかデフレは克服できず、黒田日銀総裁は2%の目標を何度も先送りしてきました。 ところがここに来てやっと、人手不足による人件費上昇を理由とした値上げを、多様な企業が認めざるを得なくなったということです。経済活動ですから、どこかが値上げすれば、遅かれ早から市場全体に値上げの潮流は波及し、インフレ率2%の目標に近づくことができるかもしれません。 便乗値上げは許せませんが、積極的な人件費の改善、人件費上昇の商品価格への転嫁や、それによる物価上昇には、過剰批判を控えるべきときではないでしょうか。
デフレからインフレという大きな変化が始まるときは、経済だけでなくいろいろなことが変わるのでしょうね。
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