やんばるのパイン畑を後にして訪問したのは、本島中部読谷村の米軍基地となっていた原野を拓いた「クーガ芋」の耕作地。 沖縄県民でも知る人は多くない幻の琉球自然薯を、地域おこしのシンボルとして復活させるべく、熱い情熱と地域愛で立ち上がった定年リタイヤした3人の仲間たち。名付けて「読谷村クーガ芋3Gプロジェクト」です。 畑があるのは「黙認耕作地」と呼ばれる、駐留米軍施設内の農耕地。基地内への出入りが比較的自由な場所で、土地を取られた住民が農業を始めたのが始まり。 1959年に「軍用地の一時使用許可」として正式に米軍が認可していて、伊江島、読谷村、宜野座村などに多く見られます。 クーガ芋は、沖縄本島でも限られた土壌と天候の中で2000年前から自生してきて、琉球王朝の貴族だけに食されてきた健康長寿の食材です。あまりに限定的で手間が掛かり、その上収穫量が少ないので、一部の家庭菜園でほそぼそと耕作されるだけになっていました。 3Gのひとり高良和夫さんが「元は母の実家が建っていた思い入れのある土地」と語る畑は、想像していたよりずっと大きくきちんと手入れしてありました。 それもそのはず、鮮度の関係で本土はまず入手できない生芋を、今春わけてもらったのですが、それが初めての収穫でした。畑の規模は3倍の1000坪になり、さらに周辺の土地まで広げる予定になっているとのことでした。 さまざまな学術研究の結果から、健康長寿の沖縄においても、ひときわ優秀な植物であることが立証されているクーガ芋。そのレシピも途絶えた現代において、完全無農薬有機農法で栽培した生芋を、どのように食するかを探りながら、3Gの取り組みは拡大していきます。 「読谷村クーガ芋3Gプロジェクト」についての詳細は、下記URLをご参照下さい。 http://mag.yui-tr.jp/toku_007.html |