2017年12月07日(木) 
今朝一番でメールを覗いたら、毎日配信されてくるLe Figaroの見出しに「ジョニー・アリディ74歳で癌で逝く」とあった。

彼が死んでいるのではないかという噂は少し前からあって、彼の代理人らしき人が「病気だけど生きています」などと反論していた。で、最近の写真を見たら、んまあ、ずいぶん衰弱していて、これはかなり重病に違いないと思ったが、その老けようは実は数年前にアルザスの新聞で目にしていた。

当時彼は70歳を出たばかりだったと思うが、まだまだ精力的にコンサートを行っており、彼の出演するイベントがコルマールであるというので、その広告を地元の新聞で見たのだった。しかしごてごてピアスをして胸をはだけ髪を染めたその風貌は痛々しく、夫に「ジョニー・アリディはまだ歌ってるのね」と言ったら、朴念仁のジイサンからは「誰だよ、それ」という反応が返ってきた。

アリディ―逝く、のニュースでまずその元妻のシルヴィー・バルタンを思い出し、久しぶりに、本当に久しぶりに、「アイドルを探せ」を聞いてみた。

やっぱり素敵な歌で、胸が躍った。これが流行ったのは60年代前半で、私は夜遅く試験勉強をしながらラジオでこの曲をよく聞いたものだ。

Youtubeの画面にはフランス語の歌詞が出て、半世紀余りむかし高校生の私は当然意味も分からず曲だけ聞いて「いいなあ」と思っていたのだが、へえ、こういう意味だったのか、とさらに見直してしまった。

Ce soir je serai la plus belle
Pour aller dancer, dancer
Pour mieux evicer toutes celles
Que tu a aimees, aimees

今夜私は一番美しい女性になってダンスに行き
あなたが愛したすべての女性をうまく追い払って見せる

シルヴィーの容姿の特徴ナンバーワンは、前歯がすいていることだ。スキッパなどという言葉があるようで、一般にこれはどんな美貌も台無しにするとされてきた。

でもシルヴィーの場合、そのスキッパが彼女の魅力を増幅させている。

大学時代に私と仲良しだった女性がやはりスキッパで、顔立ちはフランス人形のように可愛いく性格もよかったが、同級生の中には「あの歯で全部帳消しね」などと陰口を叩く人もいた。

私は彼女の場合も、それで彼女の美しさが失せるとは全く思わなかった。

果たしてそれから10年以上経って、スキッパで非常に魅惑的な女優をスクリーンに見た。その名はローレン・ハットン。

シルヴィー・バルタンの前歯でこの女優を連想したのだが、実はローレン・ハットンのことは数日前にジプシーの音楽に関するブログを書いたときにも思い出していた。

彼女が主役を演じた映画は「ヘカテ」という題で、いわゆるファム・ファタルを描いた作品である。舞台はモロッコで、そこでのフランス人外交官との情事がテーマとあって、当時の流行でもあったフランス風のアンニュイと退廃の香が濃く漂う。

(今回調べたら、この映画の監督がスイス人、しかもドイツ系スイス人ということが分かってびっくりした。ドイツ語圏スイスって、勤勉と真面目と健全の権化みたいなところだから。)

音楽との関係で私がこの映画を思い出したのは、映画の初めと終わりに流れるアラビア語の歌に強く惹かれ、今に至るまでそのメロディが耳を離れないためである。ゆっくりとしたメランコリックな旋律が、芳香のように北アフリカの町を包んでいた。

映画の内容の方は、よく分からない筋立てもエロチックなシーンもどうでもよかったが、ローレン・ハットンはモデルでもあったのでスタイルが抜群によく、シンプルな白い絹のドレスが素晴らしく似会っていた。

そして彼女の見事なスキッパも、その個性を引き立てている。(とはいえ、歯並びにうるさいアメリカでは、彼女は最初なかなかモデルの契約をもらえなかったという。)

私はこの女優が気に入っているが、他に彼女が出演している映画は見たことがないので、これもネットで調べると、何と「アメリカン・ジゴロ」というのが彼女の代表作であると分かった。

今日先ほど、南総の寅次郎さんに「ジゴロ」の話をしたばかりだったので、これまた偶然に驚いた。

「アメリカン・ジゴロ」の主役はリチャード・ギアで、そのことは知っていたけれど、映画の方は私は見ていない。

興味が湧いたのであらすじを読み、ちょっと面白そうなのでDVDがあれば見て見たいと思った。ひょこむのメンバーの中に、「アメリカン・ジゴロ」をご覧になった方がいらっしゃったら、是非感想をお聞かせ下さい。

とまあ、ジョニー・アリディに始まりリチャード・ギアで終わった連想の環であったが、もう一つ感じたこと。

それはスタイル抜群のローレン・ハットンの老け方である。

ヘカテやジゴロに出演したのは彼女が36.7歳の頃だと思うが、美貌ながら痩せて顔色もさえず、頬骨が目立つ。もっとも欧米では頬骨の高い女性は好まれるのだが、これでかなり老け顔になる。

すらりとしているのはいいけれど、ダイエットなんかすると栄養が足りなくて肌もカサカサになりがちなのかもしれない。

どうやら「ほっそり・すらり」と「お肌つやつや」とは相容れないみたい。ろれちゃんなら、どっちにしますか。

御年70歳になっても、そんなたわいもないことを考えてしまった一日でした。

・写真は若き日のジョニー・アリディとシルヴィー・バルタン

閲覧数75 カテゴリ日記 コメント4 投稿日時2017/12/07 00:16
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コメント(4)
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  • 2017/12/07 22:48
    ローマの休日の頃の若いオードリ.―ヘップバーンもその頃スラリとした抜群のプロポーションでしたが、50歳を過ぎた頃の写真を見たら、ごつごつした感じの痩せたおばさんになっていました。
    痩せた欧米人は彫が深い事もあって急に老け込みますね。
    瑞々しさが全然ありません。
    日本人は顔が扁平な分、あまり老け込まないですね。
    顔の一部に欠陥があっても、それが気にならないくらい魅力のある
    人がいますが、男性の場合全体にいい男でなくても例えば必殺仕事人の藤田まことなど、存在感が圧倒的で素敵だと思う人が居ます。

    古いですが、長谷川和夫や山本富士子のような完璧な顔は好きではないです。
    でもリチャードギアは好きですけどね。
    次項有
  • 2017/12/07 23:07
    鉛筆ベッガさん
    > ろれちゃんさん
    そうなんですよ、こちらにいると鼻ぺちゃ・黄色い肌にコンプレックスを感じますが、年をとるときれいだった人も無残に皺だらけ、染みだらけ、痩せた人は魔女みたいだし、太ったらレスラーなみだし、中国・韓国・日本の女は中年すぎてからが「出花」だなあ、なんて思います。

    これは男性の場合も同じで、美男と言われた人ほど劣化が激しい。みんなどこかでいい目にあったり、落ち目になったり。

    リチャードギアは典型的な白人顔ではないのと、知性的な雰囲気が魅力かな。
    次項有
  • 2017/12/08 10:45
    2017年のカルバン・クラインのアンダーウェアのCMで、あのローレン・ハットンが73歳にしてランジェリーモデルを務めたの、ご存知ですよね。シアー素材のブラに羽織ったシャツのボタンを開けて肌を見せて。動画ではもちろんトリで、55秒あたりで登場します。^^

     「アメリカン・ジゴロ」を見た限りでは、仕事、かなり大変みたいですね。ヒモとジゴロってどう違うのかな。

    ・CALVIN KLEIN UNDERWEAR / WOMENS SPRING 2017 CAMPAIGN by ARCSTREET.COM April 19 2017
    http://www.arcstreet.com/2017/04/calvin-klein-under…paign.html
    次項有
  • 2017/12/08 16:39
    鉛筆ベッガさん
    > 南総の寅次郎さん
    このほどローレン・ハットンのいろんな写真を見てみましたが、カルヴァン・クラインのモデルになったことは知りませんでした。

    しっかりお年を召してモデルや化粧品の宣伝に登場する女優といえば、この人とジェーン・フォンダですね。ジェーン・フォンダの方はかなり人工的に若く見せているのが見てとれますが、ローレン・ハットンは自然な感じ。もっとも自然に見えるよう人工的な工夫をこらしているのかもしれませんけど。

    ヒモはいかにも寄生虫で安っぽい印象なのに対し、ジゴロとなるとちょっとしゃれたニュアンスが。

    私の住む州にはバーデン・バーデンという有名な保養地があります。お金持ちの老人が暮らす町として有名で、中東の要人が大勢のボディガードに囲まれてやってくることも。

    写真はそこのカジノで、「賭博者」を書いたドストエフスキーも来たそうな。

    ホテルのカフェ・テラスなどでは、宝石で身を飾った80歳前後の婆さんとお茶を飲んでいるハンサムな青年をよく見かけます。これもサービス業ですから、ご機嫌を取り結ぶ知恵と才が必要でしょうね。
    次項有
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ベッガさん
[一言]
自分の好きなことがやれる時間があるのはいいですね。