私はこの日初めて、タンゴのSP録音をこの蓄音機で聞かせていただきましたが、この音にはビックリしました。
SP録音がこんなに臨場感あふれるの音だとは思ってもいませんでした。
タンゴカブキさんにSPレコードのクオリティ、蓄音機の性能がそろって初めてこの音を聴ける、と聞きなるほどと、感心致しました。
機会があればまた聴きたいものです。
ご案内ありがとうございました。
昨日はNTA(日本タンゴアカデミー)のイベント「関西リンコン・デ・タンゴ」が 開催され、私も参加しました。予定プログラムが終わったあとの番外編で、SP レコードをクレデンザという名機で聴く機会を設けていただきました。 盤は日本の有名なコレクターで海外にもその名を知られたSさんが持参下さっ たもので20枚近くあり、たっぷりと美しい音に浸ることができました。 そこで聴いたなかから私の大好きな歌を本日のタンゴにします。 ”ロサリオ(サンタフェ州)のクンパルシータ”とも称されるほどの名曲です。 「ドゥエロ・クリオージョ(クリオージョの決闘)」という物騒な題名ですが、とても 哀愁に満ちた物語です。ふたりの男性が美しい娘を巡って命をかけて闘った 挙句ふたりとも死んでしまい、それを知った娘も自らの命を絶つという内容です。 摂津の国(東神戸)にも同じような伝説にからんで東西二箇所に求女塚という古 墳跡が残っています。自分を巡っての争いを諌めるために乙女が自殺し、若者 達もあとを追ったという話です。 ではYoutubeで観賞してください。 http://www.youtube.com/watch?v=bgpvnvDd0-Q 歌詞およびその意味は以下を見てください。 Duelo criollo Tango 1928 クリオージョの決闘 Letra: Lito Bayardo /Música: Juan Rezzano Mientras la luna serena baña con su luz de plata como un sollozo de pena se oye cantar su canción; la canción dulce y sentida que todo el barrio escuchaba cuando el silencio reinaba en el viejo caserón. 穏やかな月が銀の光で照らすころ 古い館の中に静寂はみなぎり 辛さに啜り哭く甘く切ない歌に 界隈じゅうが聴き入っていた Cuentan que fue la piba de arrabal, la flor del barrio aquel que amaba un payador. Sólo para ella cantó el amor al pie de su ventanal; pero otro amor por aquella mujer, nació en el corazón del taura más mentao que un farol, en duelo criollo vio, bajo su débil luz, morir los dos. その界隈の花であった娘は ある吟遊詩人を愛していた 彼女だけのために彼は歌った 部屋の窓のもとで愛の歌を しかし彼女への恋が更にひとつ ならず者の賭博打ちの心にも芽生え クリオージョ風の決闘で、街灯は見た 弱々しい光の下で死んでゆく二人を Por eso gime en las noches de tan silenciosa calma esa canción que es el broche de aquel amor que pasó... De pena la linda piba abrió bien anchas sus alas y con su virtud y sus galas hasta el cielo se voló. それからというものは静かな夜になると 過ぎしあの愛のしるしのこの歌が忍び泣く.... 悲しみに堪えかねた美しい娘はゆったり 大きく翼をひろげ純潔で綺麗なまま 空に消えていった....と クレデンザの音を聴きたい方はこちらへ。毎月第二、四木曜にこの名機を使って コンサートが行われています。 http://music.geocities.jp/kobeairi/ 初めて聴いたときも今も身震いするような臨場感溢れる音です。ステレオなんぞ は”まやかし”じゃないかと思いますよ。 |