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2018年04月19日(木) 

 江戸時代、この橋(浅草橋)のたもとに、白亜の浅草橋見附の御門があって、江戸城の外郭の備えをなしていた。

 明暦三年(一六五七)正月の大火では、ここまで火が来た。

 都心では江戸城にまで火が及んだほどだから、伝馬町の牢も火に囲まれた。牢奉行石出帯刀が、まかり間違えば腹を切る覚悟で全ての囚人を解き放った話は有名である。

 「ただし、火が静まれば下谷のれんけい寺に戻ってこい」

 げんに一人を除き、数百人が全て戻ってきたという。帯刀は囚人たちの義に感じ、老中に命乞いをして全ての囚人を赦免した。ひとつには牢が焼けて彼らを収容する施設が無かったということもあろう。一人だけ故郷の村に潜伏して帰らなかった。村人が彼を説いて後日自首させたが、帯刀は、この男だけは許さなかった。と明暦の大火のことを書いた『むさしあふみ』(浅井了意・著)にある。

 このように、牢奉行の責任でもって囚人を一時逃がすことを”牢払い”と言った。
 もう一つ話がある。その囚人たちの一部が浅草橋見附の御門まで来た時、御門の番士が囚人の集団脱走と勘違いして、門を閉めたというのである。

 これが惨事を生んだ。市民の多くも浅草橋を目指して殺到しており、御門が閉ざされたため道筋に大混乱が起き、火に巻き込まれて死ぬ者が二万人ほど出た。
 まことに役人であることは難しい。石出帯刀のような人は稀で、浅草橋の御門の番士の方が、昔も今も多い。

 


 

ワイド版『街道をゆく』36「本所深川散歩、神田界隈」

p104・106 「隅田川の橋」

 

マップは 浅草見附


閲覧数745 カテゴリ街道をゆく コメント9 投稿日時2018/04/19 22:54
公開範囲外部公開
コメント(9)
時系列表示返信表示日付順
  • 2018/04/22 03:58
    ベッガさん
    森鴎外の「高瀬舟」を思い出しました。この話は自殺幇助や安楽死がテーマと言われますが、私は罪人喜助の護送の任務を負った同心庄兵衛の胸中に自分を重ねるところがありました。聖人でも英雄でもない、それだけに身近に感じられる人間の心を持った人として。
    次項有
  • 2018/04/22 18:30
    > ベッガさん
    「高瀬舟」は読んでいないので何とも言えません。
    森鴎外はあまり読んだことがありません。
    近頃しきりと読んでみたいな、と思うことがあります。
    名作というのは、そのように時代を超えて読み継がれるものなんでしょうね。
    次項有
  • 2018/04/22 20:03
    ベッガさん
    > Double Eagle @kachinetさん
    鴎外の作品は、そのほとんどを青空文庫で読めます。これまで読み損ねていたものの中で、最近「文づかい」(鴎外のドイツ三部作のひとつ)と「じいさんばあさん」を読みました。良かったですよ。「文づかい」の方は古典調ですが、いずれも適当な長さなので飽きずに読めます。
    次項有
  • 2018/04/29 21:31
    ベッガさん
    > Double Eagle @kachinetさん

    同じ感想を持って下さる方がいて、とても嬉しいです。
    次項有
  • 2018/04/29 23:08
    > ベッガさん
    今時の日本の官僚に読ませたいです。
    次項有
  • 2019/01/28 16:26
    作為・不作為(読み)さくい・ふさくい
    百科事典マイペディアの解説
    作為・不作為【さくい・ふさくい】

    一般に人の行為のうち積極的挙動(金を支払う,人を殺すなど)を作為,消極的挙動すなわち積極的挙動をしないこと(競業をしない,検視を経ないなど)を不作為という。不作為が債務の内容になったり(不作為債務),不作為が犯罪を構成する(不作為犯)場合などに問題になる。
    →関連項目命令

    https://kotobank.jp/word/%E4%BD%9C%E7%82%BA%E3%83%B…%BA-837525
    次項有
  • 2019/01/28 16:28
    世界大百科事典 第2版の解説
    ふさくい【不作為】
    路上に倒れている病人を見捨てたまま通り過ぎるとか,立ち退きを要求されても住み慣れた住居から立ち退かないというように,現在の事実・事象に対して積極的に働きかける行動をとらず,それらの事実・事象を放置することを不作為という。外界に対して積極的に働きかける行動・挙動をいう〈作為〉とは対語をなす。
    [民法]
     幼児が車ではねられたとき近くにいて注意しなかった通行人は,法律上の責任を問われることがあるか。これは,他人が権利侵害を受けたとき,みずからは消極的にふるまったにすぎない者も,権利侵害に積極的に関与した場合と同様,被害者に対し損害賠償義務を負わせられる場合があるか,という問題であるが,不作為が不法行為となるためには,権利侵害を回避するための特別の作為義務が存在しなければならない。

    https://kotobank.jp/word/%E4%B8%8D%E4%BD%9C%E7%82%B…E.E6.B3.89
    次項有
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