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2018年10月07日(日) 

注目のがん免疫療法 専門家は「有効なものはわずか」と警鐘、オプジーボも万能でない
2018.10.07

キーワード : #がん • #ノーベル医学賞 • #免疫療法


ノーベル賞受賞で注目されている「がん免疫療法」ですが、専門家は「有効なものは、ごくわずか」と指摘しています。

 ノーベル医学生理学賞を本庶佑・京都大学特別教授が受賞する理由となった、「がん免疫療法」が注目されています。インターネットで検索すると、本庶さんが開発に携わった新薬「オプジーボ」とともに、キノコや玄米を食べる“治療法”など、さまざまな療法が出てきますが、それぞれどのように違うのでしょうか。国立がん研究センター(東京都中央区)で話を聞きました。


オプジーボの仕組みを単純化したイラスト。黄色いヘルメットの「くすり」が、免疫細胞にブレーキがかかるのを防いでいる(「国立がん研究センターがん情報サービス」より)

 
●有効な免疫療法は、ごくわずか
 
「日本国民の2人に1人が一生のうちにかかる」とされる「がん」ですが、従来の主な治療法は(1)手術でがんを取り除く外科治療(2)放射線治療(3)抗がん剤治療、の3種類でした。本庶さんらが開発した、新薬を使うがん免疫療法は“第4の治療法”とも呼ばれます。

 国立がん研究センターで情報収集、啓発活動などを担う、がん対策情報センターの若尾文彦センター長に聞きました。
 
Q.そもそも、がん免疫療法とは何でしょうか。

若尾さん「体の中に異物が入ってきた時、それを排除する仕組みが免疫機能です。がん細胞も異物として認識され、通常なら免疫ががん細胞を排除します。しかし、免疫細胞の活動が弱まっていたり、がん細胞が免疫細胞の働きに“ブレーキ”をかけたりすると、がん細胞が増えて、がんが大きくなってしまいます。

がん免疫療法は、弱った免疫の力を回復させ、元気な状態を保つことで、がん細胞を攻撃し、がんを治療する方法です。本庶先生の研究は、がん細胞が免疫細胞の活動を抑える、つまり“ブレーキ”をかける仕組みを発見し、新薬開発に成功しました。それが受賞の一番の理由です」

Q.免疫療法はがんに効く、ということでしょうか。

若尾さん「免疫療法と一口に言っても、さまざまなものがあり、有効なものはごくわずかです。療法全体を示す『広義の免疫療法』と、その中でも、しっかりした科学的根拠がある『効果のある免疫療法』とは、きちんと区別する必要があります。もちろん、本庶先生の研究成果は後者です」

Q.ネットで調べると、さまざまな「免疫療法」が出てきます。「アガリクス」というキノコや「玄米菜食」「フコイダン」の摂取などです。

若尾さん「残念ながら、それらはまったく効果が期待できないといって問題ありません。今、ちまたで行われている『広義の免疫療法』の中には、臨床試験もされておらず、患者さんの自費(保険外診療)で、医療として提供しているものがあります。しかし、順番が違います。

本来ならば、しっかり研究し、効果があることを確認して国の承認を受ける方向に向かなければいけないのに、そうしていない。効果が期待できないのが分かっているからです」

Q.高い費用を出して、なぜ多くの人がそのような「広義の免疫療法」に頼るのでしょうか。

若尾さん「『高いお金を払えば良い治療が受けられる』と誤解している人が多いのです。レストランも高いお金を払えば良いサービスが得られる。そういう上流意識といいますか、『並の医療じゃなくて、良い医療を受けたい』ということで、有効性が期待できない自由診療(保険外診療)を多くの人が受けてしまう。

国が認めた保険診療であれば、薬は高額でも、高額療養費制度を利用して、収入などに応じて定められた金額に抑えることができるのですが」

 

Q.患者さんの細胞を取り出して、培養して戻すという治療法の広告もありました。海外で承認された方法もあると聞きましたが。

若尾さん「海外で承認されたのは、遺伝子操作をする高度な治療法です。技術もコストも非常に高いものです。日本でよく宣伝している治療法とは違います」

 

Q.これらの「広義の免疫療法」の問題点は。

若尾さん「一番の問題は、効果が明らかでないものを、患者さんから高いお金を取り、過度の期待をさせた上で使用していることです。『免疫療法は体に優しく、副作用がない治療法で、抗がん剤のような苦しみもなく、非常に優れています』と大々的に宣伝すると、抗がん剤治療などで非常につらい思いをしている人や、手術ができずに苦しい思いをしている人には、とても魅力的に映ります。それを利用していることが問題です」

 

Q.しかし、ノーベル賞で免疫療法への注目度がさらに高まっています。

若尾さん「免疫療法に注目していただくのは非常にありがたいのですが、有効なものはごくわずかであり、多くの『広義の免疫療法』、特に自由診療のものは慎重に対応してほしいと思います」
 
 
●オプジーボにも過度の期待は禁物

 

若尾文彦センター長
 
 効果の実証がない多くの「広義の免疫療法」とは異なる、本庶さんらが開発した新薬「オプジーボ」を使ったがん治療ですが、「過度の期待は禁物」と若尾さんは解説します。

 

Q.オプジーボなどを含む薬物療法と、外科治療、放射線治療との違いを教えてください。

若尾さん「外科治療と放射線治療は部分的ながんには向きますが、すでに転移したがんや、全身に散らばったがんには向きません。一方、薬物療法は全身療法です。点滴や飲み薬で体に入れて、血液の中に入って全身を回りますので、狙いを定める必要がありません。転移があっても効果が期待できる可能性があります」

 

Q.オプジーボと抗がん剤との違いは。

若尾さん「抗がん剤は直接がん細胞に障害を与えますが、オブジーボでは、免疫細胞のブレーキを外すことで、免疫細胞ががん細胞を攻撃できるように作用しています。また、抗がん剤は、効果があってもずっと飲み続けなければなりませんが、オプジーボは、ある程度飲んだ後、やめても効果が持続すると言われています。

ただ、どこでやめていいかはまだ分かっておらず、これから探っていかなければなりません。また、抗がん剤は、白血球減少や肝臓、腎臓の障害といった副作用があります。髪の毛が抜けることもよく知られていますね」

 

Q.オプジーボに副作用はないのですか。

若尾さん「あります。抗がん剤のような副作用はないのですが、免疫細胞のブレーキを外すことで、正常な細胞も攻撃してしまい、新たな副作用がありえます。肺や肝臓の障害という重い副作用が出て、間質性肺炎で亡くなった人もおられます。従って、想定される副作用をチェックしながら対応できる、薬物療法に熟練した医師、医療機関で投与を受けることが大切です。

医療機関選びは大切で、『オプジーボを使った最新治療』と強調しながら、使用量が極端に少なかったり、広義の免疫療法と組み合わせたりしている場合もあります。量が少ないと副作用も少ないのですが、結局効かないわけです。薬はそれなりの血中濃度を保たないと効果が出ないのですが、『オプジーボだから』というだけで、飛びつくことのないように注意が必要です」

 

Q.それでも、自分の体の力を使うという意味では「夢の治療法」なのでは。

若尾さん「誰にでも効くのではなく、今のところ、2~3割の人にしか効かないのが現実です。ブレーキを外すことで、免疫細胞が攻撃をする人には有効ですが、ブレーキを外しても攻撃する力がもともと弱く、効かない人もいるようです。しかも、効く人と効かない人が投与前に区別できないのです。その検査法が見つかっていない。いかに識別するかが、現在の大きな研究課題の一つです。

また、『効く』というのは、がんが小さくなって延命効果や症状の緩和が期待できるということで、完全に消えるわけではないということも知っておくべきでしょう。さらに、現在、保険診療が認められているのは、皮膚がんや肺がんの一種、胃がんなどに限られています。臨床試験が進めば、大腸がんなど他のがんにも広がっていくと思われますが、今後の課題です。

ちなみに、オプジーボの価格の高さは、最初に保険適用が認められたのが悪性黒色腫、つまり、ほくろのがんだったためです。このがんは、日本での患者さんが非常に少なく、莫大な開発コストを少ない患者さんを対象にして賄う想定で当初、非常に高く価格が設定されたのです。現在は対象となるがんが増えたこともあり、ある程度価格が下げられました」

 

Q.今回のノーベル賞受賞について感想をお願いします。また、今後のがん治療に与える影響は。

若尾さん「本庶先生の研究は素晴らしいもので、医療を変えました。いつかはノーベル賞を取るだろうと皆が言っていました。新しい治療法が脚光を浴びることは、良いことだと思います。受賞を機に、さらに研究や臨床試験が進めば、対象となるがんのさらなる広がりも期待できるでしょう。

一方で、本庶先生たちの免疫療法が注目されることで、あまり知識や経験がないのに『うちのクリニックは免疫療法やっています』というところが増えないか心配です。オプジーボが発売された時も同じようなことが起きましたが、今回はさらに注目されているので、注意してほしいです。

全国約400の拠点病院に『がん相談支援センター』があり、無料で相談できますので、正しい情報を得てから治療法などを判断してください」


 がん相談支援センターは「国立がん研究センターがん情報サービス病院を探す」(https://hospdb.ganjoho.jp/kyoten/ )で検索するか、がん情報サービスサポートセンター(0570-02-3410、平日午前10時~午後3時)で案内しています。がん免疫療法の分かりやすい説明は「がん情報サービス」(https://ganjoho.jp )内の「免疫療法 まず、知っておきたいこと」などで見ることができます

(報道チーム)


閲覧数598 カテゴリ「癌は親の仇で御座る。一族の仇で御座る」 コメント1 投稿日時2018/10/07 12:44
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