民音タンゴ恒例の献呈曲の演奏のときがやって来た。プログラムには「カプリチョ アヌンシアード Capricho Anunciado」、 隣の女性が「どうゆう意味?」と訊いてくる。 「カプリーチョは"お気楽な"くらいの意味かな」「アヌン...読みにくいなぁ は?」(宗教家へだから”お告げ”かな)と言いかけて「さぁー、なんだろ」(忖度だぁー信者でもないのに)。 若いマエストロが「最近の私の作品をI博士に捧げます」とアナウンスすると一角から盛んな拍手。演奏が始まった、なかなかいい曲だ。 プログラムには新作が三分の一を占める。聞いたあと何も残らない。印象の薄いメロディーを持った作品が多いように思う。乱作のピアソラが遺したタンゴ破壊が跡を引いているのか。 新型コロナの影響なのか今回の来日ツアーは従来に比し公演回数が極めて少ない。「タンゴを聴く」ファンが高齢化するので少なくなっているためか。「タンゴは聴く+観る」派のパッシブなファンに代わって「自分で踊るのがタンゴ」のようなアクティブ派が増えているためかもしれない。 アクティブに"歌うタンゴ"で復活を図るガラデブも歳をとってしまい何ほどのことも出来ず終りが近づいている。心なしか声も弱くなってきたのは"気まぐれなお告げ"かな。 |